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2019.05.31 Fri 時代は変わった! 島津亜矢は大化けの真っ最中。

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 ここしばらく地域の活動が忙しく、島津亜矢について書く余裕がありませんでした。
彼女はといえばテレビでもライブでも意欲的な企画と音楽的冒険で加速度的な大化けの真っ最中で、そのスピードと変化に到底わたしの筆力では追いつけません。
 実際、テレビの音楽番組を観ていて、島津亜矢とその周辺にとって時代が変わったことを実感します。これほどの地殻変動があっさりと起こってしまうとは正直思いませんでした。ほんの数年前はまだ紅白に14年ぶりに出場するというニュースに大喜びしていたことを思い出し、ほんとうに隔世の感があります。
 時代が変わる時、潮目が変わる時はほんとうにあっさりやってくるものなのでしょう。わたしは彼女がポップスの潮流に乗った時、というか乗せられた時、既成の演歌の世界からはしごを下ろされ、演歌の若手の歌手とベテランの歌手との間で挟み撃ちになり、蹴飛ばされるのではないかと心配でした。
 一方で、ポップスの世界では「演歌歌手のマルチ才能」程度にしか受け止められず、それでなくてもポップス音楽ですら時代をけん引するムーブメントをおこす力はすでになくなりつつあり、ドラマやCMとのタイアップにすがりついている状態で、昨年の米津玄師のようなメガヒットを望むのは相当な幸運とプロデュースが必要と思うからです。演歌からもポップスからも見放され、これからまだ5年10年、険しい道を歩くことにならないか、ほんとうに心配でした。
 ところがどうでしょう。地すべり的変化はまず、既成の演歌のジャンルにやってきました。わたしの独断と偏見かも知れませんが、ついこの間まで演歌界をけん引してきたベテランといわれる歌い手さんの影がやや薄くなってきたように思います。
 さすがに長い間築いていたギルド体制は待ったなしの時代の要請もあってくずれはじめ、ギルドに依存した若手の歌い手さんも方向転換を迫られています。
 気づけばいつの間にか、島津亜矢だけが突出した存在になりつつあります。不思議なものでポップスを歌えば歌うほど、「演歌歌手・島津亜矢」の存在が大きくなるのです。かつてのように「手慰みでポップスを歌える演歌歌手」という評価ではなく、「演歌歌手・島津亜矢」は彼女の出自としての称号だけではなく、演歌歌手を代表するボーカリストという称号に変化しているのでした。
 おそらく今は島津亜矢ファンが長い間望んでいた、演歌をけん引する役割を担い、若い演歌歌手の拠り所であるだけでなく、新しい演歌歌手を輩出しやすい環境まで島津亜矢が用意できるようになってきました。
 この状況をつくり出したのはもちろん、大手の音楽事務所にたよらずに地道に確実に一歩一歩歩んできた島津亜矢の矜持と風格と実力と才能と努力によるものではありますが、一方で、NHKをはじめとする音楽番組担当チームの力も相当あるとわたしは思っています。
 特にNHK-BSの「新BS日本のうた」と「うたコン」は島津亜矢とともに新しい演歌・歌謡曲、新しいJポップをつくりだしたいという願いを島津亜矢に託してきたのではないでしょうか。「新BS日本のうた」はずいぶん前から時代を越えていく彼女と伴走するように、演歌を中心に様々な冒険をしてきましたし、「うたコン」はリニューアルした時から番組のコンセプトが島津亜矢のためにあるかのように、ジャンルにとらわれない島津亜矢のボーカリストとしての才能を発掘してきました。前番組の「歌謡コンサート」から大きく番組の構成が変わり、演歌・歌謡曲とポップスが入り乱れ、融合するスタイルに今でも戸惑を感じるひとたちもいるのかも知れませんが、わたしは当初より、島津亜矢にとっては彼女の才能が思う存分発揮され、より幅広い層に受け入れられる絶好のチャンスと思っていました。
 事態はまさしくそのように動き出し、この番組においてポップスを最高のポテンシャルで表現し歌うことのできるただ一人の演歌歌手として、島津亜矢を音楽シーンのメインストリームに押し上げることに成功しました。
 そのことを意識せざるをえなくなった他の演歌の歌い手さんたちがポップスを歌う企画を得ても、残念ながら「演歌歌手」の領域を越える表現には程遠く、おのずと旧来の漫然とした演歌路線を踏襲することしかできないまま、この番組の制作チームが望む音楽的冒険からは取り残されるようになってきました。民放の音楽番組に既成の演歌・歌謡曲番組が増えてきたのも、このあたりの事情があるとわたしは思います。
 島津亜矢といえば、ついに演歌歌手としては異例のクイーンの領域にまで到達し、今や彼女に何を歌ってもらうかで番組の意外性とクオリティが試されるところにまで来たのでした。
 と、ここまでファンとはいえ、島津亜矢の凄さにただただ驚いていることを告白しましたが、それでもわたしはポップスの領域では彼女はまだ奥深い音楽の荒野の入り口に到達しただけと思っています。というのも、世界のどこかに信じられないほどの素晴らしい歌手たちが生まれ死に、素晴らしい歌をたくさん残した巨大な墓場があり、そこではかつて歌われた魂の歌たちが、これから生まれるであろう希望の歌とともに、歌手・島津亜矢に「おいでおいで」しているからです。
 
 しかしながら、皮肉なことに彼女がポップスにたゆまない挑戦をすればするほど、世間の評価以上に演歌・歌謡曲の歌唱力が一段と高まり、オリジナルでもカバーでも、もう一度歌いなおしてほしいと思うほど、今まで日の目を見なかった若い頃の演歌が名曲としてよみがえるのでした。
 たとえば、先日NHK-BSの「新BS日本のうた」のオープニングで歌った「北海峡」はわたしの好きな演歌の一曲ですが、CDに収録されているこの歌を何度も聴いていたこの歌が、まったく新しい風景をともなって切なく聴こえてきました。この番組では、次回に書こうと思っている城南海とのスペシャルステージをひかえて、島津亜矢自身も若い頃の自分の歌心に戻ったようで、その瑞々しさに感激しました。
 次回はそのスペシャルステージでの城南海との共演、そして、美空ひばりのことなどを書こうと思います。

島津亜矢 愛燦燦 2019
2002年の歌唱は非の打ちどころのないのですが、今の島津亜矢はほんとうの意味で美空ひばりの歌を歌い継ぐオリジナル歌手としての覚悟のある、凄みを感じます。

島津亜矢 愛燦燦 2002 reNEW

Ai Sansan Misora Hibari 愛燦燦 美空 不死鳥
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