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2011.03.06 Sun 井上陽水と小島良喜

 3月3日、はじめて井上陽水のツアーライブに行ってきました。
 彼と同年代のわたしは彼の若い時からの音楽を聴いてきましたが、ライブに行くことはありませんでした。
 そんなぼくが彼のライブに行くことになったのは、井上陽水の音楽に生で触れようと思ったのも確かですが、実のところはここ数年以上、彼の音楽をささえている小島良喜のピアノがお目当てでした。
 小島良喜のピアノを一度聴いてしまうと、その魔力から抜け出せなくなってしまったファンの方がたくさんおられることと思います。
 わたしもその一人です。

 わたしが彼のピアノに触れたのは1990年、豊能障害者労働センターが桑名正博コンサートを開いた時のことでした。小島良喜さんはその時桑名さんと一緒に箕面市民会館に来てくれたのでした。
 彼がリハーサルの前からピアノをずっと弾いているのを聴きながら、わたしは桑名さんのスタッフや舞台関係のスタッフと打ち合わせをしていました。4月のことで、彼の指先から生まれた一つ一つのいとおしい音たちが、まるで無数の桜の花びらのように会場に舞い降りたのでした。
 桑名正博さんのコンサートはそれから93年まで4年連続して開催し、小島良喜さんは毎年来てくださいました。(桑名さんはその後1997年にも来てくださいました。この時は小島良喜さんは不参加でした。)

 2002年7月、小島良喜、金沢英明、鶴谷智生のトリオ「コジ・カナ・ツル」のライブを箕面で開きました。
 それからは彼らが京都のライブハウス「RAG」(ラグ)に来るたびに行っては何度も「コジ・カナ・ツル」を聴きました。
 この三人で演奏している時の小島良喜はとびっきり楽しそうで、その音楽を聴いているわたしたちをいつも「ここより他の場所」へ連れて行ってくれるのでした。
 フライドプライドのブログ「FRIED PRIDEのフラリプラリ」でsihoさんの小島良喜の記事にどなたかが「ピアノを愛するピアニストはたくさんいるけれど、ピアノに愛されるピアニストは小島良喜しかいない」とコメントされていました。まったくその通りだと思います。

 井上陽水のサポートミュージシャンとしての小島良喜をCDで聴いたり最近のテレビ番組で観ていると、ブルーズとはまたちがって、井上陽水のボーカルをひきたてるのではなく陽水の音楽そのものを弾き語るピアノで、井上陽水が小島良喜を高く評価している理由がよくわかるのです。
 この日の演奏も、小島良喜のピアノを水先案内人にしている感じで、前回のツアーとちがってあまり知られていない歌を中心に構成されていたにもかかわらず、ぼくもふくめてお客さんはとてもゆたかな気持ちで井上陽水の音楽にひたっていました。
 井上陽水さんのMCは肩をはらず自然体でとてもおもしろく、音楽もライブとして盛り上げなければいけないとかがまったくなく、井上陽水の心のひだが奏でる音楽の誕生の現場に立ち会えたような、とてもうれしい時間でした。
 そしてわたしはふと、はじめて小島良喜のピアノと出会った1990年の4月のことを思い出していました。

「コジ・カナ・ツル」のCDは豊能障害者労働センターで販売しています。
試聴する場合は「RAG」(ラグ)で
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