FC2ブログ

ホーム > 芝居 > ファミリー劇団・天然木がやってくる

2018.09.19 Wed ファミリー劇団・天然木がやってくる

tennenboku2.jpg

 9月22日(土)午後2時より、豊能町の西公民館大会議室でフアミリー劇団「天然木」によるミュージカル「大矢野原に立って」が上演されます。
 ファミリー劇団・天然木は熊本県山都町を拠点に活動している家族劇団で、父(舞台美術)、母(脚本、音楽)、長女(振付)、次女(脚本)、弟(風呂たき)、弟(風呂洗い)の家族6人+αの大ちゃん(ベース、パーカッション、デジタルワーク)全員が役者でもあり、次々とオリジナルの新作劇を上演し、舞台すべてを自分たちでつくりあげる家族劇団です。
  ユニークな子育てとしても語られることも多いのですが、歌い踊り語る表現を通して子どもたちがアイデンティティを獲得し、舞台という「もうひとつの現実」によって家族の日常の共依存が昇華された劇団天然木は家族を越えた新しい家族のありようなのかも知れません。深い信頼でつながった劇団天然木のミュージカルは自由な表現と躍動感にあふれ、公演の先々でたくさんのこどもたちとおとなたちの心をわしづかみにしてきました。
地域のこと、平和のこと、憲法のこと、世の中のすべてのできごとを瑞々しい感性でとらえ、率直に表現するミュージカルはまさしく、子どもによる子どものための、そしてすべての大人のためのミュージカルです。
 今回の公演は、6月に沖縄辺野古のゲート前で上演された「大矢野原に立って」を観た大阪のMさんとIさんが感動し、ぜひ大阪に来てもらおうと、21日豊中、22日豊能町、23日高槻で上演することになったのでした。豊能町の公演は豊能町と能勢町の憲法カフェ、9条の会が集まった実行委員会が主催します。
「大矢野原に立って」のあらすじを少し紹介すると…、
 山都町で就農した克敏は婚活クラブで知り合った今野さんと交際中。彼女は今日も赤バスに揺られ、長靴持参で来てくれました。山道をのぼってついたところは陸上自衛隊大矢野原演習場。住民はテントを張り、日米合同軍事演習を監視し続けてきたのでした。
 若いカップルの他に地元の老議員や、話好きのおばあちゃん、克敏の父など、監視小屋に訪れる人々を、しずくさんとりんかさんが二人で演じ分ける楽しいミュージカルです。

 わたしはミュージカルにはなじめずにきました。タモリ氏が言うように、急に歌で日常会話をするなんてことはありえないのですが、そもそも表現行為は非日常の快楽によって成り立っているわけで、日常ではあり得ないことを確かなリアリティとするのが表現行為だともいえます。
 こんなことを思ったのは、ファミリー劇団天然木のテレビ取材でミュージカルの魅力をたずねられ、次女のりんかさんが「何をやってもゆるされるところだと思います。歌ってもいいし踊ってもいいし。だって日常生活で突然歌いだしたり踊り出したらなんだこのひととなるじゃないですか。でも(ミュージカルだったら)みんないつも出せない変なところがいいところになるのがいいです。」と答えていたからです。それはファミリー劇団「天然木」の魅力にとどまらず、あらゆる表現行為や社会のありようまでも見すえるとても深い言葉だと思います。
 1996年に結成されたこの劇団は、日常の家族関係とは別の場所・ミュージカルの舞台を子どもたちに提供してきたのでしょう。それはまた、家族関係のいさかいも舞台の中で昇華され、日々の暮らしも政治も自然の恵みも、同じ重さと楽しさで受け止められる、「子どもたちの民主主義」の場とも言えます。
 若い人の自死が減らない社会で、一方の天秤に切ない夢や儚い希望を乗せ、もう一方の天秤に決意の夜を乗せてしまう若い人たちにもし、子どもの頃から「何をやってもゆるされる場」が用意されていれば、子どもたちの息苦しさも社会の息苦しさもすこしは変わったかも知れません。
 戦時中の日本の治安維持法や旧ソ連のスターリニズムなど、権力者やその社会の体制を肯定賛美する表現行為(彼らはそれを都合よく大衆がわかる芸術と言いますが)以外は弾圧される不幸な時代に立ち戻らないために、わたしたちは「いつも出せない変なところがいいところになる」自由な表現とコミュニケーションの場を必要としていることを、劇団天然木は教えてくれます。
 劇団天然木は、わたしにはじめてミュージカルの魅力を教えてくれることになるでしょう。

劇団 天然木 - 公式ブログ 
KKTテレビに紹介された天然木 
関連記事

web拍手 by FC2

Comments

name
comment
comment form

Trackback

FC2Blog User

  1. Trackback