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2017.11.26 Sun 祝!島津亜矢紅白出場。しかしながら島津亜矢の冒険に値する歌を、もっと歌を。

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島津亜矢の紅白出場が決まり、ほんとうにうれしく思います。
 今年は「金スマ」、「音楽の日」、「UTAGE」とTBSの人気番組や特番の出演で、独自のコンサート活動を除けば本来の演歌番組以上にポップスの番組での歌唱が話題となりました。今まで島津亜矢の存在を知らなかったポップスファンに彼女のポップス歌唱が届き、その圧倒的な歌唱力に驚愕と絶賛が寄せられたことはほんとうにうれしい出来事でした。
 さらに、ポップスのカバーアルバム「SINGER4」の発表とそれに合わせた「SINGERコンサート」の開催、映画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突ルウム会戦』の監督の肝いりで服部隆之作曲によるテーマ曲「I CAN'T DO ANYTHING -宇宙よ-」の歌唱と、今までの地道ながらオールラウンドの活動が実を結び、ファン以外のひとびとにも届くメジャーな情報が相次ぎました。
 しかしながら、こんなことを書くと関係者やファンの方々に叱られることを承知で言えば、彼女の本来の活動の場である「演歌」のジャンルでは今年は「いのちのバトン」と「心」と異例の2曲を制作しましたが、わたし個人の感想ですが「いのちのバトン」は少し冒険したものの、「心」ではまた先祖返りをしてしまい、2曲発売する意図もよくわかりませんでした。
 これらの楽曲を製作する作家さんたちは演歌畑ではすでに巨匠の域にある方たちですがわたしには新鮮味が感じられず、この製作チームが島津亜矢の音楽的冒険の行方をプロデュースするよりは、がちがちの守りに入っているとしか思えませんでした。
 演歌のジャンルがよくも悪くも氷川きよし一人におんぶにだっこという状況が何年もつづき、ますます演歌ファンの市場が小さくなる中で、例えば今年紅白初出場の丘みどりなど魅力的な若い歌手が出てくれば、島津亜矢の紅白出場もいつ途絶えるか不安になります。
 わたしは本来紅白出場を当選、不出場を落選と呼ぶ風潮がかなり嫌いで、また視聴率という「税金」を取る準国営放送・NHKの国民的番組であるがゆえの紅白への批判の論議にも関心がありません。
 ただ、世の趨勢も大いにありますが、従来から年に一度のお祭りとして紅白が果たしてきた役割からして、歌の番組でありながらもバラエティ番組としての様相が濃くなるのはやむをえないことだと思います。また、大きくは演歌・歌謡曲とポップスの割合が1970年代以後ポップスの歌手の出演が増えたのも、音楽シーンの劇的な変化を反映しているだけで、今でも冷静に見れば演歌・歌謡曲の割合が多いぐらいでしょう。
 紅白出場を辞退しても何の影響もない大物と言われるアーティストもたくさんいますが、以前ほどではないといっても40パーセントの視聴率を持ち、翌年のセールスに影響を持つと言われる紅白の出場は、若いアーティストたちにとってもうれしいことのようです。
 演歌歌手の場合は紅白への出場が特に影響があると言われているようですから、島津亜矢にとっても紅白出場は熱心なファンのためにも格別の願いであったことでしょう。
 歌唱力のある実力歌手というだけでは紅白出場は指定席とはならないと思いますので、来年はヒット曲がほしいところです。ちなみに、市川由紀乃はもとより、もしかすると丘みどりにしても新曲のCD売り上げが島津亜矢の新曲よりも多いような気がします。
かろうじて、CDのアルバムは「SINGER4」がテレビ出演の効果で演歌歌手としてはよく売れたのではないかと思いますが、ポップスも含めた全体ではJポップスの楽曲とは桁数がひとつもふたつもちがうのが現実ではないでしょうか。コンサートの動員数にしても演歌界ではトップクラスだと思いますが、ポップスのセールスとは別次元としか言いようがありません。
 今年に限って言えば紅白出場を確保した今、TBSをはじめとする年末の音楽フェスへの出場があるかどうかに注目しています。
ともあれ、島津亜矢のポップス歌唱の実力とは別に、ポップスのセールスとしてはまだ途上の段階で、一方本来の演歌のジャンルでのセールスも今までの地固めという段階から抜け出せず、どちらもが島津亜矢のボーカリストとしての行方を引っ張りあっている状態で、活動の領域が広がった分プロデュースが難しく、結局、従来の演歌路線に逆戻りしているような気がするのです。
 そんな中で、氷川きよしが来年からポップスに進出し、ポップスのライブやCDセールスなどを計画しているというニュースが入りました。氷川きよしは2000年のデビュー以来、演歌の救世主と言っていい活躍で若いファンをはじめ新しい演歌ファンを開拓してきた演歌界のオピニオンリーダーです。
 その彼が40歳になり、新しくポップスに進出しようとしているのには2つの理由があると思います。ひとつは、先細りの演歌のジャンルに甘んじていては演歌とともに滅びるのではないかという危機感、もう一つは手前みそですが島津亜矢のポップス歌唱が音楽のメインストリームで高い評価を得たことで、自他ともに許す演歌界のトツプスターのポップス進出が大きな起爆材になるだけでなく、日本の音楽シーンでより確固とした存在になる可能性を見出したからではないでしょうか。
 おそらくたくさんのスタッフによるプロデュースで作詞・作曲にポップス界の名手を起用し、緻密な戦略でセールスをかけるでしょうし、彼のもともとのファンは「素直に」彼のポップスを受け入れることでしょう。
 わたしは島津亜矢チームがこの動きに乗じて積極的に島津亜矢のポップス歌唱を真剣にプロデュースしなければ、今まで地道に努力してきたポップス歌唱の努力をそっくり持っていかれると思います。
 むしろ、この動きに乗じて演歌界の悪しき慣習を破り、ポップスの作り手や、演歌界でもポップスの名曲をたくさん作曲している浜圭介など、思い切った起用とコンセプトで新しいポップスのオリジナルアルバムやシングルの製作に踏み切ってほしいのです。
 そして、演歌もまたオールラウンドのボーカリストとしての島津亜矢を理解してもらい、ポップスの作り手による大胆な演歌・歌謡曲を製作してほしいと思います。
 時はそう長く待ってくれません。来年も同じプロデュースなら、おそらく紅白は望めないと思います。また、わたしのように紅白に重きを置いていないファンに対しても、そろそろ島津亜矢が時代を背負って歌うべき演歌やポップスを彼女に手渡し、新しい彼女のファンを生み出してほしいのです。そうすればおのずと、島津亜矢の紅白出場は後からついてくると思うのです。

島津亜矢「命の別名」 詞・曲:中島みゆき/歌縁2017・東京公演
中島みゆきが知的障害といわれるひとびとに捧げた歌で、わたしは最近島津亜矢の「地上の星」よりもこの歌唱が好きです。

島津亜矢「時には母のない子のように」寺山修司作詞・田中未知作曲
この歌は寺山修司が黒人霊歌「時には母のない子のように」にインスパイヤされてつくった歌で、「うたコン」の母の名曲というコンセプトとはまったくちがう歌ですが、島津亜矢はもともとリズム&ブルースを歌える歌手なので、カルメン・マキのヒット曲の裏に隠れている黒人奴隷の悲しみをよく表現していると思います。
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ノーム : URL

Edit  2017.11.27 Mon 11:27

11月26日付の記事を拝見いたしました。「これらの楽曲を製作する作家さんたちは演歌畑ではすでに巨匠の域にある方たちですがわたしには新鮮味が感じられず、この製作チームが島津亜矢の音楽的冒険の行方をプロデュースするよりは、がちがちの守りに入っているとしか思えませんでした」というご意見に全面的に賛同いたします。事情は分かりませんが、いまさら、「心」のような説教唄では島津亜矢のいまが活かされません。その点、「いのちのバトン」は曲調の面でも、歌詞の面でも、多少の冒険心が感じられます。紅白での歌唱曲についての意見で、この曲が話題になったことはないように思いますが、(セールスの面はともかく)これがことしの代表曲ではないでしょうか。紅白での歌唱曲ということであれば、貴ブログでもおしゃっていたかと思いますが、I can't do anythingもいいですね。変則的ではありますが、島津亜矢のいまとその活躍ぶりを如実に表すという意味で、やはりことしの代表曲としてもいいかと思います。心にしみこむ島津亜矢の歌がもっと多くの人たちに届くことを祈っています。ご健筆を。

tunehiko : URL ありがとうございます。

Edit  2017.11.27 Mon 13:08

ノーム様
コメントありがとうございます。
実際のところ、一生懸命に製作されているこのチームにネガティブな意見をはさむことには躊躇してしまいます。
いままででしたら、グレードも高いですからこれらの楽曲で十分だったとも思います。
しかしながら、彼女の音楽の聴き手が広がり始めているため、演歌にしても彼女に見合うだけの「大きな歌」がほしいと思っています。それはなにも、ヒット狙いのためではなく、島津亜矢が気持ちよく歌える歌で、それなりの話題性が加味されれば、ヒットは後からついてくるのだと思います。

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