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2017.09.19 Tue 島津亜矢と堂珍嘉邦の「美女と野獣」のコラボは大事件でした。

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 「ガンダム」の主題歌につづいて島津亜矢の直近のトピックはTBSの音楽フェス番組「UTAGE」に出演したことでしょう。
 しかも、ケミストリーの堂珍嘉邦とのコラボを、誰が想像できたでしょうか!
 「金スマ」出演以後、TBSの国民的音楽フェス「音楽の日」出演を経て、島津亜矢のポップス歌唱の評価が日に日にすそ野を広げる昨今ですが、さすがに堂珍嘉邦とのコラボは思いもしないことでした。
 5年ぶりに活動を再開したばかりのケミストリーは2月から復活ツアーを開始、テレビの音楽番組にも出演しています。島津亜矢も出演した7月18日のNHK「うたコン」ではヒット曲「Point of No Return」を熱唱し、奇跡といわれるデュオのハーモニーの復活に数多くのファンが酔い知れたのではないでしょうか。ちなみにこの日の放送は「エレファントカシマシ」も初登場し、ケミストリーとはまたちがい、エモーショナルで、どこかなつかしい50年代の歌謡曲のようなロックを聞かせてくれました。
 CHEMISTRY(ケミストリー)は1999年、テレビ東京のオーディション番組「ASAYAN」の男性ボーカリストオーディションで選ばれた川端要と堂珍嘉邦の2人により結成。デュオを選ぶという見地にたって選考された結果、個々の表現力と潜在能力の高さは勿論のこと、2人が一緒になったときの化学反応の素晴らしさから、デビュー当時のプロデューサーの松尾潔から「CHEMISTRY」と名づけられました。
 松尾潔といえば自身がパーソナリテイを務めるラジオ番組で島津亜矢の「I Will Always Love You」を絶賛し、ポップスやリズム&ブルースのファンに島津亜矢を紹介してくれた人ですが、一見冒険と思われる今回のコラボも直接はかかわりがないかもしれませんが松尾潔つながりで納得できました。
 それどころか、この番組のプロデューサーが島津亜矢を出演させ、なおかつ堂珍嘉邦と「美女と野獣」でコラボさせたことは快挙と言ってよく、どれだけの賛辞を寄せてもまだ足らないくらいの大成功の企画だったと思います。
 実際、二人のデュオはとてもすばらしいものでした。宴がコンセプトのこの番組らしく3組の舞踏会風のダンスの方が目立ちましたが、聴く人ぞ聴くというべきか、番組終了後の反響は半端なものではなかったようです。
 わたしもほんとうにびっくりしました。「音楽の日」の時は「I Will Always Love You」でしたので、わたしとしては一定の評価を得ている選曲で少し物足りないと感じたのですが、今回はミュージカルの名曲「美女と野獣」で、いきなり堂珍嘉邦とのコラボを堂々と歌い上げてしまったのですから。
 5年ぶりにケミストリーの活動を再開させた川端要と堂珍嘉邦は、「歌うことがうれしくてしかたない」という感情がにじみ出て、ふくらみのある包容力と奥行きと陰影と説得力があり、以前から定評のある歌唱力によりセクシーさが増していると思います。
 以前のケミストリーは、たしかに歌唱力は群を抜いていましたが、わたしはどこか薄っぺらいものを感じていて、いかにもオーディションで選ばれ、最高のレベルにつくりあげられた、ややテクニック先行のお仕着せのデュオが歌わされているという印象をもっていました。
 事実、彼らもそこのところに引っ掛かりをもっていたようで、デュオとしての活動をいったん休止することになったのでした。2人は日本でもトップクラスのボーカリストですから、それぞれソロで活動しながら音楽以外にもさまざまな自己表現をしてきた5年間でした。
 そして今、2人は自らデュオとしての活動再開を熱望し、その名のごとく二人の声が反応し、「もうひとつの声」が立ち現れてくる奇跡のハーモニーを二人自身でつくりなおしたのでした。その意気込みと切実な音楽への渇望が彼らをよみがえらせ、テクニックだけでない新鮮な才能に満ち溢れた彼らの音楽の再出発はJポップ、そして日本の音楽シーンにとっても新鮮な風となることでしょう。
 そんな堂珍嘉邦は、島津亜矢の歌をどう受け止めたのでしょうか。ポップスのアーテイストとのコラボはいままでもなじみ深いものでしたが、ポップスを歌える演歌歌手という程度の前知識で臨んだリハーサルの段階で、彼は島津亜矢という振り袖姿のディーバの降臨に驚いたことでしょう。
 その驚きを隠した彼が、本番ではさらに一歩、島津亜矢と音楽の荒野に踏み込んでいく姿がありました。この歌はミュージカルの中で歌われる主題歌として物語の中に組み込まれているため、それなりのずば抜けた歌唱力のある歌手が歌えばミュージカルの中の名曲はなりえます。
 しかしながら、島津亜矢という異色のボーカリストを得た堂珍嘉邦は、この歌の誕生の場所をミュージカルの中にもとめず、あくまでもボーカリストとしての矜持のもと、島津亜矢とのサプライズの磁場に求めたのだと思います。
 それは人間が武器を発明するよりも早く、また言葉を発明するよりも早く、コミュニケーションと和解の道具として音楽を発明したように、稀代のボーカリストである彼は島津亜矢との交信・協働の音楽によって、「ケミストリー」の名のごとく、たぐいまれな化学反応を起こしたのでした。
 彼自身よみがえったばかりの堂珍嘉邦が、川端要以外のコラボで化学反応を起こすぐらいの衝撃と癒しと圧倒的な歌唱力と歌を詠む才能を持ち合わせた島津亜矢と歌い上げた「美女と野獣」は、誤解を恐れずに言えばセクシーで肉感的、そして実は音楽のもっとも大切なモーメントである「死」を内包した素晴らしい祝祭歌にまでたかめられたのでした。
 それにしても、島津亜矢にはほんとうにびっくりさせられます。彼女はこの番組もふくめてポップスの場では新人と言っていいでしょう。しかるに気負うことなく、バンドでいうベースのような役割で堂珍嘉邦の才能をいかんなく発揮させるだけでなく、堂珍嘉邦の誘いに応じて自らも化学反応してしまえるのですから。
 以前の「SONGS」では大竹しのぶとクミコに圧倒されたのか、中島みゆきへの過度な思い入れなのか、力の入りすぎた「地上の星」に少しがっかりさせられましたが、前言を撤回し、島津亜矢はポップスでも演歌歌手のエチュードを超えるパフォーマンスをすでに持っていることを示してくれました。とりわけ、今回はソロではなく、デュオで証明したのが大きかったと思います。
 この上は、ケミストリーのもうひとりのボーカリスト・川端要とリズム&ブルースやソウルミュージックで、もっと贅沢を言えば「島津亜矢AND CHEMISTRY」でオリジナル楽曲をどちらともかかわりの深い松尾潔・プロデュースでつくってくれたらと、途方もない夢を見てしまいます。
 これからの島津亜矢は、美空ひばりや石川さゆりがたどってきたように、ジャンルを超えてその稀有の才能を楽曲に昇華させる音楽の作り手を貪欲に探すことがますます必要になってきているのではないでしょうか。
 時代が島津亜矢に追いつこうとしているのに楽曲はなかなか追いつけない状態で、これまで通りの予定調和的な歌作りでは一気に増えたファンをがっかりさせるのではないかと心配です。

堂珍嘉邦&島津亜矢「美女と野獣」・島津亜矢「イミテーションゴールド」(UTAGE)

CHEMISTRY「ユメノツヅキ」(松尾潔プロデュース・作詞)
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Comments

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はなちゃん : URL

2017.09.22 Fri 01:51

亜矢さん
演歌のいい曲歌えていません?
亜矢さんの演歌のファン減らないですかね
心配です。
先輩の圧力TVから伝わって来ます?
私だけですかね?

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