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2016.10.18 Tue 能勢町長選挙とダイオキシン問題 新町長の覚悟を問う

 先日能勢町長選挙があり、新人の上森一成氏が当選し、山口禎氏は一期のみで退陣となりました。
 山口さんを維新と断じた自民党の議員や一部住民が今回の選挙を維新対自民と評したり、維新を阻止したという言説はデマに等しいとわたしは思います。たしかに世の中の不安定さや「努力としても報われない」という思いを深くしている人々に生活保護所帯や福祉サービスを受けながら暮らしを支えている障害者への偏見を増幅させ、努力に報いるのは維新だけだと喧伝する暴力的な動きに抗するために物事をステレオタイプ化してしまう心情はわからないわけではありませんが、それでは物事の本質を見失うのではないでしょうか。
 フェイスブックの記事にコメントするだけではこちらの責任もはっきりしないので、まとめた文章を掲載することにしました。

 同時期に行われた豊能町長選挙ではまさしく維新の元議員が候補者でしたが、能勢町長選挙は維新と言われた山口陣営に組織的な維新の応援はなかったと思います。演説会にも現れ、個人的に応援した足立議員は山口さんの教え子だっただけです。どんな候補者でも、家族や友人、教え子の場合は政党などに関係なく応援スタッフとして参加するのは心情的にいえば当たり前のことではないでしょうか。 山口さんの応援スタッフは、ただの住民たちのあつまりで、個人の想いで選挙活動をしていたと思います。

 今回の選挙でダイオキシン問題が選挙終盤に上森陣営とマスコミによって争点化したと言えますが、選挙期間中にわたしもふくめて能勢町民がはたしてほんとうに争点にしたのかはなはだ疑問です。
 上森陣営の町会議員のレポートが主張するように、大牟田の三井精練株式会社で一般廃棄物として無害化処理をすることの予算は認めていたが、地元との調整がつかず、秘密裏に神戸市の業者によるコンクリート固化処理に変え、産業廃棄物として処理してしまったことを報告しなかったことは責任が問われることに違いないと思います。山口さんの主張はコンクリート固化処理で国の安全基準を下回っているので、人体と環境に影響しない程度の無害であるということだったのでしょう。しかしながら、専門家や国の言うことが正しいかどうかは原発の問題ひとつとってもはなはだうたがわしいこともまたほんとうです。
 山口さんが議会で「選挙で信を問う」とおっしゃったのなら、管理責任、説明責任を認識し、速やかに町民説明会をした後に選挙で積極的に争点にするべきだったと思います。
 この問題は費用がかかっても(6億4000万円といわれています)風評被害もふくめて町民の安心と信頼を得るために溶融や焼却処理するか、専門家と言われているひとや国を信じてコンクリート固化のまま地元で処理するか、両町民に信を問うべきことだと思います。もちろんどちらの場合も処理施設をつくる地域やコンクリート固化された廃棄物を埋め立てる地域の地元住民の同意と協力なくしてはできません。20年間も放置同然にされてきた理由のひとつに、その問題もあったことでしょう。
 上森さんは当選後の第一声の新聞のインタビューに答えて、「真っ先にダイオキシン問題。完全無害化を成し遂げる」と発言されましたが、それを争点のひとつにして町長になられたわけですから、最悪6億4000万円の費用が国から出ない場合は自主財源でも実行する覚悟をお持ちであるはずで、わたしたち能勢町民にもその覚悟を求めなければなりません。立会演説会においても、あなたは一切完全無害化の処理の具体的な方法と費用については言及しませんでした。
 一足早い豊能町の町長選挙ではダイオキシン問題を争点に、溶融・燃焼による完全無害化処理を公約にして当選した池田町長は早くも「無害化は費用が問題」とトーンダウンした発言をしています。
 わたしは公約が果たせない事情もあると思いますが、選挙が終わってすぐに「無害化は困難」と平然と言うのは公約違反ではなく、だましたとしか思えません。溶融・燃焼処理のための費用が6億以上であることを知らない両町住民はいないのですから。
 豊能町の町長が「弱音」を吐いているその時に、「完全無害化」を成し遂げるといった上森町長には、同じことを言ってもらっては困るのです。「完全無害化」を信じて能勢町民はあなたを選んだのですから。
 4年前の選挙で学校の統廃合問題が争点になり、前町長が公約違反とたたかれましたが、彼が公約を果たせなかったのは上森町長を支援する議員さんたちの徹底した妨害によるものだったことは誰でも知っています。わたしはそのことを考慮したとしても、学校の統廃合には反対で、その当時全議員に要望の手紙を出しましたし、能勢町の教育を考える真摯な人々が地域とつながった学校のかけがえのない役割や、災害時の避難所としての役割を訴えましたが、それらをことごとく退け、国が勧めた耐震検査も、「今の学校が安全になると新学校の建設に反対する人が増える」とかたくなに拒否したのは、上森町長を支える議員さんたちでした。
 今度の「無害化」については、誰も邪魔するひとはいません。ですから、完全無害化をなしとげるために、最悪の場合わたしたち町民への負担になることをはっきりと言うべきだと思います。そして、さらに言うならば豊能町の地元住民の同意が得られないのならば、素人の乱暴な意見だと思いますが、かつて自分たちが輩出したごみであることを認識してもらい、能勢町に処理場を建設することもありとして町民自身にこの問題を自分たちの問題として考え、協力を求めるべきだと思うのです。
 わたしは建設時の約束があると聞いていますが、国崎クリーンセンターでの処理を要請、依頼するべきだと思います。聞くところによると2回ほど依頼したけれども断られたそうですが、無害化とローコストを兼ね備えられるのはそれしかないと思います。
 どんな形であれ、税金を投入するわけですから、国も大阪府も兵庫県に対しても、直接関係する川西市、猪名川町市に対しても礼をつくし、粘り強く真摯に協議をお願いし、ぜひとも実現してほしいと思います。

 今回の選挙は単純な「維新対自民」ではなく、能勢をどうしたらいいのかともがくのか、あいかわらずの「村型」行政でいいとするのかという選択肢の内、能勢町民が「このままでいい」を選んだ選挙だと思います。
 山口さん陣営が提案する14000人の人口をめざすのか、上森さん陣営が提案する10000人の町づくりをめざすという対比ではなく、実は山口さんの14000人の公約がやや非現実的であると思えるのとおなじように、10000人だからできる町づくりという上森新町長の主張もまた甘いといわざるを得ません、10000人を維持することは並大抵のことではないはずです。
 上森町長の言う「誇りをとりもどす能勢」とは、各行政区担当の職員を配備する「村」を取り戻すことなのでしょう。今でも役場に何か問題を提案すると必ず「区長を通してくれ」と言われます。町行政のさまざまな課題を解決していくには、区単位とは別に、区にしばられない自由な町民の活動を育てることが大切だと私は思います。
 わたしは必ずしも旧村を否定するものではなく、むしろ長く厳しい暮らしの中で培われた知恵を尊敬しています。しかしながら、それが町民の自主的な活動を妨げることにならないようにしていただきたいと思います。
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