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2016.02.19 Fri 島津亜矢とマキタスポーツと紅白と「新BS日本のうた」

島津亜矢

 今度の日曜日夜7時半放送の「新BS日本のうた」に、島津亜矢が出演し、スペシャルステージで森昌子と共演します。スペシャルステージは放送時間90分の番組の中でなんと40分、2人の歌手がコラボレーションするコーナーです。この番組の前身の「BS日本のうた」では数々のスペシャルステージが伝説となっています。
 島津亜矢の場合は北島三郎をはじめ、布施明、森進一、鳥羽一郎、天童よしみなど、それぞれのステージは多くの視聴者の記憶に残っていることでしょう。布施明との「マイ・ウェイ」は島津亜矢の恩師・星野哲郎が亡くなった時だったことを後から知ったのですが、思わず泣き始めた島津亜矢におそらく「僕たちには歌しかないのだから、恩師の思いを大切にして歌いつづけようね」と慰めるように、手を差し伸べる布施明のネクタイが黒だったことを思い出します。鳥羽一郎との「無法松の一生~度胸千両入り」の時は鳥羽一郎が遠慮がちな島津亜矢を前面に出し、自分は極端に低いキーで歌い、島津亜矢の歌唱を引き立たせ自らもほめたたえたこと、また長山洋子と共演した時は、テレビ放送では初めてだったと思うのですが、ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」を熱唱し、驚嘆させたことなどが今も記憶に残っています。
 今回は森昌子との共演で、「春一番」、「惚れちゃったんだヨ」、「いいじゃないの幸せならば」、「なごり雪」、「ソーラン渡り鳥」など60年代、70年代のヒット曲を歌う予定です。どちらが何を歌うのかわからないですが、とても楽しみです。個人的には「いいじゃないの幸せならば」を島津亜矢の歌唱で聴きたいと思っています。

 昨年一年間は30周年、作詩大賞、そして紅白出場と、今まで彼女の存在を知らなかった数多くのひとたちに認知され、充実した一年でした。とくに紅白での「帰らんちゃよか」の静かな熱唱は驚きとともに高く評価され、その中でもマキタスポーツがラジオ番組やブログなどで大絶賛したことから2か月もすぎた今でもなにかと話題になっていて、もともと集客力の高いコンサート会場も以前にもまして満席状態のようです。
 おくればせながらユーチューブでラジオ番組「大谷信彦のキキマス」に出演したマキタスポーツの島津亜矢を絶賛する発言を聴き、涙が止まらなくなりました。島津亜矢のファンの方々なら同じ思いで聴かれたことでしょう。

 怪物!いたよ歌怪獣が。今まで知らなくてごめんなさい。うれしかったは、あの怪物見れたの。今回の紅白、MVPは島津亜矢さん。島津亜矢さんの歌のうまさにびっくりした。
家族ではまりました。今まで島津亜矢さん知らなくて、いきなり家族で、紅白で見た。とにかく、驚嘆とはあのことで、こんな怪物いたの、歌怪獣やん。家ん中がざわざわして、長女なんかすぐにダウンロードしゃって。中学2年生の女の子のIPOTに島津亜矢さんが入ってる。
 島津亜矢さんのファンの方々は技術の高さを知っていて、何で世の中のひとは評価してくれないんだ。こんなにすごいのにと、ずっと思ってたらしい。
 紅白は、演歌とかアイドルとか一同が結集する場で、大味な演出に見えたりする場ではあるけれど、もう一方でああいうほんとうの歌怪獣の発見の場でもある。それが島津亜矢さんだった。あのひとは何の演出もなく、ただひたすら情熱をこめて歌い上げるということをやってたんだけど、説得力がちがった。空間を制していた。声がすごくて、空間をいかにして歌声で制するというか届かせるのか、身体を楽器化する…。
エレファントカシマシの宮本さんもそういう人。島津亜矢さんのマイクの位置見てた?マイクの位置がね。ずっと離し気味のところで固定している。あそこで、あれだけの空間芸を声で演出できることがどれだけすごいことか。すごい技量ですよ、知らなかったことが恥ずかしい。
たましいがのっかてるし…、クラシックはコンサートホール自体を楽器にするでしょ、それを島津亜矢さんは自分ひとりの生声でNHKホール全体の空間を揺らすことができるひとなんですよ。それは、玉置浩二さんなんかと通じるもんです。
(紅白歌合戦2015の『島津亜矢』 が凄かった!マキタスポーツ&大谷信彦)

 実際、わたしも何度かこのブログで書いてきましたが、歌手が身体楽器となるというのはまったくその通りで、たびたびの引用で恐縮ですが、寺山修司はかつて一世を風靡した同人誌「凶区」の現代詩人たちの向こうをはって、星野哲郎を紙に書く詩人ではなく歌手の肉体をメディアにする現代詩の旗手として評価しました。マキタスポーツの言うように、島津亜矢はまさしく彼女自身の肉体をメディアにしてたった一人の肉声でNHKホールを揺らしたことは、テレビ画面からも伝わってきました。さらに言えば、島津亜矢は何十年も歌い継がれ、NHKホールの紅白の空間に充満する歌の星屑を愛おしく吸い込み、彼女自身の心のゆらぎをメロディーにして吹きとどかせる楽器となっていました。その意味では島津亜矢からエレファントカシマシの宮本浩次と玉置浩二を連想する2人は正しいと思います。
 マキタスポーツが指摘した固定し、やや離したマイク位置もさすがの指摘で、そういえばわたしの子どもの頃はアマチュアでもマイクを離して歌うことが常識でしたね。そのことで付け加えれば、最近の島津亜矢は息継ぎのブレスが入らなくなり、とても聴きやすい歌になりました。
 わたしが今年も島津亜矢の紅白出場を願うのは、この番組が権威となったり歌い手さんのステータスになるからではなく、今回のマキタスポーツや松山千春や、EXILE、平井堅、ケミストリー、JUJUなどのプロデュースで知られる音楽プロデューサー・松尾潔など、異なったジャンルの人々が島津亜矢を発見したときの驚きを隠さず、偏見なく評価してくれるチャンスの場であるからです。
 たしかにCDの売上もふくめて、島津亜矢が日本の音楽シーンの中でメガヒット曲をつぎつぎと世に出すことは考えにくく、今年の新曲「阿吽(あうん)の花」もAKBなどのアイドルのようにはヒットするとは思えません。しかしながら、島津亜矢にしか歌えない「叙情歌謡曲」として心に沁みわたっていく歌になっていて、彼女のとどまることを知らない進化し続ける歌唱力と相まり、必ずや心まどい、切ない日々を抱きしめることもあるわたしたちの心に歌い残す名曲となっていくことでしょう。

つぎはその新曲「阿吽(あうん)の花」と姿形あさととのジョイントコンサートのことについて書いてみようと思うのですが、21日の森昌子との共演の方が先になるかも知れません。
 また21日は「憲法カフェ・のせ」の開催もあり、その報告もしようと思っていて、書くことが重なりますが順番に書いていきます。

島津亜矢・新曲「阿吽(あうん)の花」
 3月16日に新曲「阿吽(あうん)の花」が発売になります。作詞は昨年、島津亜矢の「独楽」で日本作詩大賞を受賞した九仁京介、作曲は島津亜矢の歌謡名作劇場シリーズの作曲を数多くされている村沢良介で、いまワンコーラスだけ聴けるサイトがあります。
島津亜矢/ 北島三郎「 風雪ながれ旅」

島津亜矢/布施明 「マイ・ウェイ」

鳥羽一郎/島津亜矢 「無法松の一生~度胸千両入り~」

島津亜矢「帰らんちゃよか」
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