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2016.01.19 Tue 島津亜矢 「歌謡コンサート」出演の意味するものは何?

島津亜矢 SINGER3

 今日になってしまいましたが、NHK総合で夜8時から「NHK 歌謡コンサート」に島津亜矢が出演し、藤島桓夫の1957年のヒット曲で遠藤実の作曲家デビュー曲でもある「お月さん今晩は」を歌います。
 番組ホームページによると、今回のテーマは「女性の生きざま」ということで、番組冒頭に仲間由紀恵がVTRで出演し、森光子が生前愛した曲を森のエピソードとともに紹介し、島津亜矢が歌うという演出のようです。
 この番組の最近の島津亜矢に対する演出にはどこか隠れた大いなる意志のようなものを感じ、彼女のファンとしても、またこれからの日本の歌謡曲・音楽シーンで島津亜矢が大きな役割を担うことを切望するわたしにとって、とても興味深いものがあります。
最近のわたしのブログにコメントをくださった方が、「昨年頃から亜矢さんに対して扱いが悪くなっている、まるで亜矢さんのこと無視している」と書いておられましたが、実際は誤解なのでしょうが、ファンとしてはそんな感じを持ってしまいます。
 というのも、NHKの紅白番宣として出場歌手の特別番組を組んだり、また不出場となった歌手とそのファンに対する「おわび(ガス抜き)」と思わせる番組を組んだり、また特に民間のBS放送での演歌・歌謡曲番組が出場・不出場を越えて常連歌手による「仲良しクラブ」を垂れ流したり、果てにはわたしはそんなに嫌いでもないのですが、奇しくも紅白で島津亜矢の後に登場した「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音(えのん)とベッキーの不倫スキャンダルから、直近の「SMAP」解散騒動まで、社会的なニュースだけではなく、ある意味もっと深刻な芸能記事や番組の、ここぞとばかりによってたかって誰かを悪者にするヒステリックな扇動ニュースの嵐の中では、島津亜矢という珠玉の歌手の動向などどうでもよいということでしょうか。
 依って立つ大きな事務所も後援団体もなく、島津亜矢のデビュー以来30年の間、彼女の歌を必要とする愛おしい人たちが彼女の地道な芸能活動と伴走してきたことだけが支えの孤高の歌手に、時代が追いつくにはまだまだ時が必要なのかも知れません。
 そんな現実の中で、よくも紅白出演を依頼したものだとNHKを褒めてあげたい。いやNHKではなく、NHKの音楽番組を制作するチームの中にいる隠れ島津亜矢ファンを褒めてあげたい。デビュー以来30年の間彼女の持って生まれた天賦の才と、それにおぼれることのない不断の努力と、歌に対する限りない情熱と、自分の歌手人生をささえる先人に対する尊敬の念と、ファンからみればそこまでしなくても良いと思えるほどの謙虚さと、それでいて最後には自分の信念を曲げない頑固さすべてを併せ持つ孤高の歌手・島津亜矢への熱い信頼とともに、彼女とともに新しい歌謡曲の荒れ野を切り開こうとする音楽的冒険心を隠す音楽番組の制作チームの何人かが、粘り強くまわりを説得し、さまざまな外圧もはねのけてこそ実現した紅白出場だったにちがいないと思います。
 一方でJポップを始めとする新しいポップスシーンを牽引してきたすばらしい制作チームがNHKには存在します。かつてわたしも豊能障害者労働センター在職時に彼女たち彼たちの協力を仰いで、当時大ブレークしていたウルフルズをわたしたちのチャリティ・コンサートに出演してもらえないか、知り合いのNHKの別分野のデレクターにお願いしたこともありました。その話は残念ながら実現しませんでしたが、その当時から深夜に放送されていたポップス番組は刺激的で、とても楽しみな番組でした。
 こんなことを書くのは、ポップス番組の制作チームと島津亜矢を評価してきた歌謡曲の制作チームが手をつなぎ、新しい音楽番組をつくってほしいとかねがね思ってきたからですが、なんとこの3月に「歌謡コンサート」と「ミュージックジャパン」の放送を終了し、4月から「歌コン」という新番組が誕生すると聞き、それぞれ独自の出自と長い歴史を持つ2つの番組の制作チームが合流することで、新しい音楽的冒険の実現が夢ではなくなったと思うからです。
 しかしながらそれはわたしの楽観的な予想で、ポップスの分野では「ミュージックステーション」や「カウントダウン・TV」という大きな壁があり、一方で今日も明日も変わらないような超マンネリの四畳半演歌に漫然と居座りつづける演歌・歌謡曲の行き詰まりから、NHKの看板番組である2つの番組を縮小整理した予定調和的な番組となってしまうのかもしれません。そうなれば現在の「歌謡コンサート」にJポップがなだれ込み、現在の常連の演歌歌手の事務所は以前よりも激しく営業をするでしょうし、「歌謡コンサート」の視聴者は年末の紅白と同じように不満が噴出し、離れていくことにもなるかもしれません。その結果、民放の演歌・歌謡曲番組はますます面白くなくなっていくことでしょう。
 そして、後ろ盾を持たない島津亜矢のテレビ出演もさらに危ぶまれる事態になりかねません。
 その意味でも、今回の放送の冒頭で仲間由紀恵がVTRで出演し、森光子が生前愛した曲を森のエピソードとともに紹介し、島津亜矢が「お月さん今晩は」を歌うという演出には、深い意味があるとわたしは思うのです。それはまさしくこの番組の制作チームがおくる島津亜矢への隠れたエールであり、それを受け止められる島津亜矢への熱い信頼以外に他ならないのです。
 新しい番組が、大きくは日本の音楽の新しい冒険を牽引するものになっていくのならば、演歌・歌謡曲を出自とする歌手・島津亜矢が大きく羽ばたく場となっていくことでしょう。
 そして、不幸にもそうでない場合でも、Jポップの侵入によって演歌・歌謡曲歌手の出演が狭まる中、それぞれの事務所サイドの営業をはねのけ、島津亜矢による新しい演歌を演出していく場となることも考えられます。
 どちらにしても、いよいよ島津亜矢の音楽活動が蓄積・潜伏期から大きく開花し、ほんとうに歌を必要としている時代の底辺でうごめく人々の心情を読み取り、歌い語らい、歌い残し、果てには時代を動かしつくり出す、ほんとうの「音楽の底力」を後世に残すべき大仕事へと一歩踏み出すことになる、これからの10年の物語が始まったのだと思います。
 番組の感想と「お月さんこんばんは」の思い出については、次回の記事にしたいと思います。

 フェイスブックをはじめました。フェイブックでも島津亜矢を取り上げて行こうと思っています。

島津亜矢「熱き心に」
デビュー31年目の記念すべき新曲をどうするか、島津亜矢チームはいつも以上に悩んでいるのではないでしょうか。どんな歌もあっさりと歌いこなしてしまう彼女ですから、その悩みはうれしくも深刻なのではないでしょうか。
とくに昨年の紅白効果で演歌ファン以外のひとひどから注目を集めた熱がさめやらない今、ポップス調の歌謡曲か、演歌中の演歌か。どちらにしても彼女の大きさにあった作り手の度量が問われます。たとえば、こんな歌は?と思う一曲です。

島津亜矢「風雪ながれ旅」
この歌はもちろん、星野哲郎の詩人としての並々ならぬ意気込みなくては生まれなかった一曲です。それを真正面に受け止めた船村徹の曲と折り重なり、演歌中の演歌でありながら、「大きな物語」を見事につづるワールドワイドな日本の名曲だと思います。たとえば、こんな歌も?と思う一曲です。
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