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2015.12.19 Sat 今年一年をふりかえる

 今年も残すところ10日と押し迫り、一年をふりかえる今日この頃です。
 私的なことを書きますが、このブログはわたしの日記代わりでもありますので、みなさんのお許しをいただきたいと思います。
 今年をふりかえると、まず8月に有期雇用で働いていた被災障害者を支援する基金団体「ゆめ風基金」を退職しました。2011年の東日本大震災を機にアルバイトとして働かせてもらい、4年半ほどでしたが、わたしの職歴ではじめて全国的な運動にかかわらせてもらったことと同時に、個人的にはこの4年半の間、年金と別に給料をいただいたことで、多少の蓄えができたことを感謝しています。
 「ゆめ風基金」を退職したことで、働いてお金をいただくことからは完全に引退しました。ここでわたしの職歴をふりかえると、まず工業高校の建築科を卒業し、建築事務所で働いたものの半年しか続かず、その後大阪の地下鉄本町の近くのビルの清掃を3年、妻との結婚と重なる形で妻の父親の機械メーカーで17年働きました。その間、35才の時に設立されたばかりの豊能障害者労働センターと出会い、40才を機に会社を辞め、その後16年間、豊能障害者労働センターで働きました。
 わたしにとって豊能障害者労働センターは漠然と終の棲家と思っていましたが、同時に障害者問題はある種「青春の思想」でもあり、年老いていく自分はやはりどこかで若い人にバトンを渡さなければとも思う複雑な心境でした。
 2003年の暮れにその豊能障害者労働センターをやめ、翌年から大阪の障害者団体で3年働きましたが、この頃自分がしてきたことにむなしさを感じて辞め、その時に声をかけてくれた関連団体で働こうとしたものの一日しか勤まらず、それから3年間は神経内科にかかるなど「うつ」になってしまい、妻が自宅ではじめたリサイクルショップをしながら、豊能障害者労働センターの通信販売業務のコンピュータシステムを素人ながらつくらせてもらっていました。そして、2011年、「ゆめ風基金」から声がかかり、今年の8月までお世話になりました。
 どなたも関心がないわたしの職歴を書き連ねると、つくづくわたしは「あかんたれ」で不器用な生き方しかできないまま68歳になってしまいました。自分の人生とこれからどう付き合っていったらいいのかと考えあぐねる一面もあります。
 12月8日、会社の同僚だったひとたちの忘年会に誘われ、28年ぶりに再会しました。集まった人たちはすでに会社をやめた人たちばかりで、妻の父親が急死し、妻の弟が会社を継いでしばらくして会社の業績が悪くなった時、自主退職を募集し、父親の代からの社員を中心に大量リストラをした今の社長への批判や恨みは、それからずいぶん時を経ても消えることはないようです。もっともわたしもまた今の社長が自分に対してイエスマン(ウーマン)だけでまわりを固めるやり方や、経営者と姻戚関係にある自分の立場が嫌で、ずいぶん早くに会社をやめたのですが…。
 今年の夏、「安保法制」に反対するシールズの集会で、とぎれとぎれの言葉でしたが涙が出たスピーチがありました。ひとがいっぱいで姿かたちは見えなかったのですが、10代か20才そこそこの若い女性のお話でした。
 以前の記事に書きましたが、採録すると…、
 「わたしは数少ない経験ですが、いくつかの集団に参加したりしてきましたが、どんな小さな集団でも必ず『全体主義』と『権力』があることを学びました。いままでわたしは自分の意見を声にすることはできませんでしたが、この運動の中で今、声を出すことができるようになりました。けれども、いまも自分の声を押し殺している障害をもつひとたちや虐げられているひとたち、差別を受けているひとたちがたくさんおられます。憲法違反の法案が通ることは民主主義の行方すら変えられてしまう不安を持ちます。わたしはいまこうして声を上げることができているけれど、それができなくなるかも知れません。ましてやいま声を上げることができないひとびとの声を、政治家はだれも聞いてはくれないことでしょう。声高に言う声だけではなく、そのひとびとのつぶやきに耳を傾けることが民主主義ではないでしょうか。」
 わたしが働き活動し経験した会社や集団、その中にも残念ながら全体主義と権力がたしかにあったことを告白しなければなりません。権力や差別と闘う集団の中にある権力は、ややもすると組織を防衛するためにやむを得ないものとして蓋をしてしまう陰湿なものがあります。権力といえば権力者とほぼ同義語とされますが、わたしはそうではなく、民衆や組織に属するひとりひとりの「小さな権力志向」をひとりの人間に積み重ねた時に権力者が生まれるのであって、真の権力が住むところはわたしたちひとりひとりの心の中にあると思います。そして、「権力者」とされる人たちは望む望まないにかかわらず、その小さな権力が積み重なってできる人間の業ともいえる大きな荷物を背負わされた人ともいえるのです。
 わたしもまたそんな荷物を背負い込む立場になり、まわりからは「権力者」と思われたことがたしかにあったと思います。一番の後悔はやはり豊能障害者労働センター在職の時でした。一人あたりのGDPとその分け前に明け暮れる経済から、助け合い、分かち合い、誰もが自分らしく働き共に生きる経済を標榜しながら、この上ない貧乏のさ中で今日明日の生活を支えるための「お金」をつくり出すために、批判の対象のはずの一般経済の場で「勝負」し、わたしたちみんなの給料を生み出さなければならない矛盾はどうしても組織の中での指揮権の行使へとつながることが多々ありました。その過程でどれだけ仲間の心を傷つけてしまったか、後悔後を絶たずと言いますが、今もなお豊能障害者労働センターの当時のスタッフはもちろんですが、何よりもわたし自身の深い傷となって消えることはないのでしょう。
 わたしがそれぞれの会社や組織をやめるきっかけは、自分が背負った権力という荷物は結局のところ組織の中では下ろせず、その組織をやめることでしか下せないと思った時でした。ほんとうはそこからまた泥をかぶることで組織をしっかりしたものにしたり大きくすることもできたのでしょうが、その代償としてわたしが背負う権力という荷物はより重く大きくなり、にっちもさっちもいかなくなって行ったことでしょう。また、それは他者がその荷物を背負っている場合もそうで、わたしはそのことを批判し、それに立ち向かいながら結局は権力闘争の果てに消耗するか自らが権力を背負うことになってしまうのだと思います。ひとは他者と時々「わかりあえた」と思う瞬間がありますが、ほとんどの場合はその瞬間は他者を屈服させた瞬間でもあるのです。
 わたしはいま、そういう桎梏から解放され、とても自由になったと思っています。むろん、経済的には年金が会社勤務をしてきた同世代のひとたちのおそらく半分ぐらいで、暮らし向きはかなり厳しく、現実にこの4か月は飛ぶようにお金が消えてしまいましたが、それでも「自由より他に神はなし」という心境で、これからは働いていた時の付き合いはますますなくなり、さびしいと思うことも多々あるかも知れませんが、少なくともこのブログという私的メディアを持っていることがかなり精神の安定に役立つと思っています。ちなみにこのブログを基本に、ようやくフェイスブックやツィッターも近々開設しようと思っています。

 ごめんなさい、こんなプライベートなことを読んだくださった方には申し訳ないのですが、とりあえずは仕事をやめたというもっと身近な大事件だけで予定の文字数を越えてしまいましたので、次回以降も今年一年をふりかえり、島津亜矢さんのことや中村哲さんの講演会とその冊子づくり、能勢で参加させてもらっている「憲法カフェ」のこと、橋下徹さんや安倍政権のこと、来年開催する「ピース・マーケット能勢」のことなどについて書いて行こうと思います。

孫の由太さんと
終了しましたがTBSで放送されていたドラマ「コウノトリ」を毎週楽しみにしていました。わたしは主演した綾野剛のファンで、しかも大森南朋、松岡茉優、吉田羊、星野源(この人はこのドラマで発見したのですが、今度紅白に出演しますが歌よりも役者の方に可能性を感じます)、それにわたしの一番の注目女優である江口のり子など役者が充実していて、マンガが原作でオリジナルではないのですが、とても好きなドラマでした。
それはさておき、わたしの娘も高齢出産で、このドラマに出てくるような問題を抱えていても不思議ではなかったと思いますが、2011年の5月に生まれ、4才と7か月になりました。小さい時は足しげく写真を撮りにいきましたが、この1年はわたしは「ゆめ風基金」のイベントの準備でいそがしく、娘夫婦も箕面の障害者の生活を支える活動をしていて超多忙な毎日を送っていて、気づけば正月以降あっていませんでした。
12月13日、この日は娘が合気道の集まりに行きたいので、その間家に来てくれないかと頼まれ、孫の由太くんに遊んでもらいに行きました。しばらく会わない間にますますこまっしゃくれていて、娘に買って以来の絵本をお土産に持って行ってもまったく関心を示さず、しばらくは借りてきたというアニメのDVDを観るのをつき合わされ、それからはわたしのスマホで写真を撮りまくり、そのあとは「アンパンマン」や「どらえもん」をずっとみていて遊んでくれませんでした。
でも、これもまた仕事をやめたからできることで、これからは一か月に一度ぐらいは交流を深めようと思いました。
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2015.12.29 Tue 22:32

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