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2015.02.03 Tue 島津亜矢・歌謡コンサート

 2月3日、NHK総合「歌謡コンサート」に島津亜矢が出演し、「I will Always Love you」、「愛染かつらをもう一度」と新曲「独楽」を歌いました。
 「歌謡コンサート」は主に演歌系の歌手が出演し、最近は45分の番組にたくさんの歌い手さんが出場し、「歌のカタログ」の様相を見せていますが、今回の放送は「歌こそ我が人生!真剣勝負名人戦」というタイトルで、五木ひろし、島津亜矢、夏川りみ、布施明の4人の歌手がそれぞれカバー曲、転機になった歌、今歌っている新曲という流れで3曲を歌いました。
 島津亜矢が歌った「I will Always Love you」は2010年にNHKのBS放送「BS日本のうた」のスペシャルステージで長山洋子と共演した時に歌った歌で、その後アルバム「SINGER」に収録されました。わたしの知る限り、地上波で歌ったのは今回が初めてで、BS放送を入れてもあの時以来のようにも思います。奇しくもその時に司会の手伝いをしていたのが布施明で、絶賛していたことを思い出します。
 今回、この歌を歌うと聞き、その時のインパクトがあまりに強かったものですから、地上波放送の「歌謡コンサート」はとても影響力のある番組なので、どんな反響があるかとても楽しみです。
 それはそれとして、わたし自身はもう聴きなれていることもあるのか、以前に聴いた時のような衝撃を感じることはありませんでした。さらに言えば、それはわたしが聴きなれているだけではなく、島津亜矢の歌唱法も変わったからではないかと思います。
 演歌の場合はずっと以前に、ポップスの名曲の場合は数年前まで、この歌や「SINGER2」に収録された「MY HEART WILL GO ON」など「名曲」とされているバラードを「歌い切る」ことが多かった島津亜矢でしたが、またポップスの歌手もふくめて自己陶酔して「歌い切る」ことが求められることもありますが、もしかすると島津亜矢はそのフレームをくずさない範囲で「歌い切る」ことから卒業しているのではないかと思いました。
 ユーチューブのコメントで、「演歌歌手にこの歌が歌えるはずがない」と否定的な意見がありましたが、わたしは反対に、ホイットニー・ヒューストンなどに代表されるR&Bやゴスペル歌手の歌は演歌と言っていいコブシやうなりにあふれていて、島津亜矢の歌の方がホイットニーに準じてはいるものの自然な歌い方にかわってきたのだと思います。
 そういえば、浅川マキがあるラジオ番組で話していたのですが、浅川マキの歌を聴きつけた演歌のプロデューサーが、「浅川マキの歌にあるソウルは演歌に通じる」と考え、浅川マキに演歌を歌わせようとしたんだけど、こぶしと唸りがなく、また単調にしか歌えないと取りやめになったそうです。このプロデューサーがもうすこし根気があり、また浅川マキが「演歌」嫌いでなかったら、美空ひばりのように「日本調」や「演歌」でもすばらしい歌を残したのではないかと思います。
 島津亜矢は「演歌」のジャンルを出自としているため、よりはば広く歌の荒野をかきわけ、ワールドミュージックに値する「日本の歌」を歌えるもっとも近い所にいるように思います。
 以前にも書いたのですが、「I will Always Love you」はホイットニー・ヒューストンの最大のヒット曲ですが、彼女自身にとってはカバー曲で、元歌はカントリーシンガーのドリー・パートンが自ら作詞作曲し、1974年にリリースした歌です。
 今回の島津亜矢の歌は、以前のようなホイットニー・ヒューストンのハードな歌い方ではなく、最近の彼女らしく肩の力の抜けた歌い方でドリー・パートンにより近く、「かっこよくクール」であるより、どこか干し草の匂いがただようカントリーソングのようで、わたしはとても好きです。共演した五木ひろしと布施明が「うまい」と口をそろえてほめていたのが印象的でした。
 ホイットニー・ヒューストンの娘さんがバスタブで意識不明になり、病院に搬送され、今も集中治療室で治療中というニュースが飛び込んできましたが、わたしはホイットニー・ヒューストンが絶頂期にあったこの歌を聴くたびに、その後不幸な実人生をおくった彼女が気の毒で涙が出てきます。娘さんが元気に回復されることを願うとともに、島津亜矢はホイットニー・ヒューストンへの挽歌として、この歌を歌いつづけてほしいと思います。
 そして、「独楽」。やはりいい歌です。男と女の愛の歌や、親子や家族の絆の歌がほとんどといっていい近頃、こんな歌を歌う歌手がどんどん少なくなっています。
 時代に逆らい、毅然と、そして言葉ひとつひとつ、音のひとつひとつを丁寧に拾い上げるように歌う島津亜矢は、ほんとうに健気な人だと思います。
 ファンとしては、やはりヒットしてほしいと願わずにはいられません。

 ちなみに、今回共演した五木ひろしが田端義夫の「かえり船」をギターの弾きがたりを交えて歌いましたが、これは見事でした。五木ひろしの声というか歌というか、このひとは「弦楽器の歌手」と思っているのですが(ちなみに島津亜矢は「管楽器の歌手」と思います)、歌のうまさはもとより、田端義夫の「かえり船」が敗戦で戻ってくる多くの兵士をなぐさめ、戦後すぐのひとびとに涙とともに圧倒的な支持を得たことが伝わり、心にずしんと届く歌でした。
 そして、布施明が「摩周湖の夜」を歌う時、最初にマイクなしでイントロを熱唱したのにはびっくりしました。いままでも、和田アキ子がマイクなしで歌ったことがありましたが、今回も布施明の声量と声の美しさを象徴していました。島津亜矢も負けず劣らずの声量と声の美しさをもっていて、マイクを使ってもいいので一度はアカペラで歌ってくれないかなと思います。
また、布施明自身の作詞作曲「夢でいいから」は、中村八大やいずみたくのような曲調で、これも最近あまり聴かない、なつかしさと新しさが混在した、とてもいい歌でした。
 もちろん、夏川りみも歌に物語を乗せることができる実力派の歌手で、今回のような企画は以前に一度ありましたが、とてもいい企画だと思います。
 島津亜矢は今年30周年という配慮があるのかも知れませんが、テレビの露出度も高まり、また先輩の歌手の人たちにもあらためて認められ、なにかとかわいがられるようになったように思います。
 いつか彼女の存在が大きくブレイクし、もっともっとたくさんのひとに島津亜矢の歌が届くことを願わずにいられません。

島津亜矢「I Will always Love You」ラジオ番組(メロウな夜)より

Whitney Houston「 I Will Always Love You」

DOLLY PARTON「 I WILL ALWAYS LOVE YOU」

島津亜矢「 独楽」
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2015.02.06 Fri 08:50

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2015.02.06 Fri 10:31

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