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2014.10.28 Tue 合唱の演奏会に行きました。

 10月26日、京都の同志社大学寒梅館ハーディーホールで開かれた、同志社混声合唱団こまくさOB合唱団の演奏会に行きました。来年の1月で40歳になる息子が出演していて、彼からチケットをもらい、出かけて行きました。
 わたしは1987年、40才の時に世間一般からみても比較的所得が多かった一般企業をやめて豊能障害者労働センターに入りましたので、その時は2人の子どもは中学生でこれから教育費がかさむという時期でしたが、娘の方は高校、短大へと進み、息子の方は大学まで、ほとんどの学費を教育助成と低金利の貸与で賄い、その後長い年月をかけてわたしたち夫婦が返済していたのですが、こちらの経済事情から最後は子どもたちに負担させてしまいました。
 高校時代はハードロックやヘビーメタルにはまっていた息子は、大学で勧誘されたのでしょう、合唱にのめり込んでいきました。その関係で、彼が所属していた合唱団「こまくさ」の定期演奏会には欠かさず行くことになりました。
 大学時代、こまくさの現役で熱心に活動していた彼は、きっと合唱を通じてさまざまなことを学んだのだと思います。合唱をきちんと聴いたのはその時がはじめてでしたが、彼らの演奏を聴いていて、気恥ずかしい言葉ですが「青春」とはこういうことなのだと思い、ただ単に息子が出演しているという以上に感激しました。
 大学に行かなかったわたしには縁のないことでしたが、同じ大学で学ぶことはひとつのアイデンティティになりうるものなのでしょうし、合唱に限らずサークル活動はより絆を深め、友情を育てることになるのだと思います。
 そして100人ぐらいのそれぞれちがった人間が強制されて歌うのではなく、ひとつひとつの思いを重ねながら声を合わせ、心をつむぐ合唱の魅力を垣間見ることができました。そして、まだ学生ではあっても自分の息子がわたしたちの家族から旅立ち、友だちとの間で自分を知り、友だちとともに夢を急ぎ、友だちとともに希望を見つけて行こうとする姿に、思わず涙ぐんでしまったことを思い出します。
 また、わたしが若いころに慣れ親しんだ谷川俊太郎の「地球へのピクニック」や、中山千夏作詞・長谷川きよし作曲の「黒い牡牛」が合唱曲になっていたり、今回も演奏された吉野弘作詞・高田三郎作曲の「心の四季」や高野喜久雄作詞・高田三郎作曲の「水のいのち」など、「こまくさ」の公演で名曲を聴かせてもらいました。
 息子が大学を卒業し、働き始めてしばらくはやめていましたが、そのうちにある混声合唱団に入り、その演奏会も行きました。演奏としてはおそらく「こまくさ」より上手だったようには思うのですが、瑞々しさというか、いずれ別れ別れになるまでのつかのまの刻を共にし、はかない青春の光と影が共振していた「こまくさ」の演奏は、いつまでもわたしの心に残っていました。
 今回のOBの方々の演奏を聴き、おそらく合唱団としては未完成なのでしょうが、上は60才、下は卒業したばかりの若い人たちが、「こまくさ」でともに過ごしたそれぞれの青春に想いを馳せて演奏されているようで、とても感動的なステージでした。
 わたしの息子にしても40才になろうとしていて、「こまくさ」の現役のときからすでに20年がすぎようとしています。
 わたし自身の人生はもとより、彼もまたさまざまな経験を経ておとなになり、今回の演奏に参加できたことはとてもうれしいことだったにちがいないと思います。
 なによりも驚いたのは、OBの人々の演奏の中に、わたしが息子の現役時代に聴いた「こまくさ」の「音」といっていいものがくっきりと聴こえたことでした。それを伝統というのかも知れませんが、「心の四季」や「水のいのち」などをそれぞれの世代が歌い継いできたからこそ、それらの歌に込められた先輩たちの無数の「心のひだ」が今も大切に残されているのだと思います。
 わたしは島津亜矢を熱心に聴くようになって、どんなに昔につくられたものであろうと、歌にはその歌の誕生の地から幾多の時代をこえて歌を必要とし、愛を必要とするひとたちによって歌い継がれてきた「たましいの記憶」が隠れていることを教えてもらいました。だから、ひとは歌を歌わずにいられないし、歌を聴かずにはいられないのだと思います。
 歌によって心が救われたり、生きる勇気をもらったり…、歌にはそんな力が隠されているのでしょう。
 そして、合唱の魅力は他者の声を聴きながら自分の声を乗せていき、その歌の何十年何百年の足跡をともにたどる喜びにあるのでしょう。
 そんなことを感じながら、とても素敵な時間を過ごしました。そんな時の贈り物をプレゼントしてくれた息子に感謝です。

 今日の歌謡コンサートに島津亜矢が出演し、「感謝状~母へのメッセージ~」を歌いました。そのことについては、次回に書きたいと思います。

混声合唱組曲 「心の四季」 より 「雪の日に」 詩 吉野弘 曲 高田三郎
「心の四季」は合唱曲の中でも特に数多くの合唱団が歌い続ける名曲で、今回の演奏では「心の四季」より「風が」がうたわれました。ここでは息子が現役だった時の演奏会でとくに心打たれた「雪の日に」を紹介します。
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