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2014.08.21 Thu 町議会の傍聴に行きました。

 8月15日、能勢町議会の傍聴に行きました。傍聴に行ったこの日の町議会は、能勢町の財政破綻を杞憂する町民による新学校建設の是非を問う住民投票条例を求める署名が304に達し、それにもとづく条例制定請求を認めるか否かを討議するものでした。
 玄関払いはわかっているようなものでしたが、それでも町長や個々の議員がどんな発言をするのかを聴いてみたいと思いました。

 最初に署名活動をし、条例制定の請求をされた町民の陳述がありました。くわしい内容は下記のブログをご覧いただくとして、
 ひとつはこの請求の本筋で、国の支援金の対象となる規模と設備では17億円が相当とされ、8.5億円の補助金を受けることになっているのですが、財政にゆとりがあるのならばまだしも、人口が減りつづけ、将来に町の存立すら危ぶまれる中、財政調整金を取り崩して17億円にさらに23億円を町が独自に出し、40億円という高額な学校建設費が妥当なのかというものでした。
 しかも、学校の維持管理もふくめて町債の発行を余儀なくされ、ますます財政のつけを将来に押し付けてまで、ほんとうに学校建設が必要なのかということです。町自身が3月に「能勢町行財政改革プログラム」を公表し、2019年には2.2億円の赤字、2023年には15億円の赤字を見通していて、職員のリストラや住民サービスの見直しなどで5億円の赤字にまで圧縮するとしています。
 町行政も議員のみなさんも目をさまし、身の丈にあった事業を行うべきであって、基金をゼロにしてまで強行することでないのではないか。
 もうひとつは、この建設計画は前町長の負の遺産であり、今の町長は選挙で学校建設の是非を問い、当選したのですが、当初は見直しに向けて多少の動きはあったものの、すぐに撤回しこの事業を推進することになったのは公約違反なのではないか、というものでした。

 それに対して町長は、2人の議員の質問もふまえ、まずは公約を果たせなかったとわびた後、建設費は当初の設計よりもコンパクトにし、無駄をはぶきながらも必要な建築費用で多くも少なくもない。また維持管理費などはまだどれだけ必要かはっきりと試算できていないので、町債の発行額についてもまだわからない。「能勢町行財政改革プログラム」などの着実な進捗により、不安を払拭すべく取組を進めている。
 また町議会でも住民の意見を踏まえた指摘や提言を賜り、予算も議会で承認され、現在すでに造成工事の施工中で、建設工事の発注手続きにも入っている状況である。
 これらの経緯を踏まえると、改めて住民投票にゆだねる必要性はないと言う意見表明をされました。

 その後質問した2人の議員の賛成意見が述べられましたが、反対意見を述べる議員もなく、あっさりと採決がとられ、賛成少数で否決されてしまいました。たしかにわかっていたこととはいえ、反対するならせめて反対意見を述べる議員がいてもいいのではないかと思いました。無言の反対では、本来議論するべく議員になったはずなのに、とても情けなく思いました。
 これで学校建設を見直す最後の機会を町行政も議員もわたしたちもなくしてしまったと思います。もともと、今の学校すべての耐震化工事費は国からの助成金がかなり出て、10億円程度で済みそうだとわかっているのに、議会は新学校建設に支障が出るとして町長が提出した耐震化の二次審査を否決してしまっています。そしてあたかも新学校建設の方が安上がりで維持費も安く、さらには新しい学校で子どもたちがのびのびできるすばらしい教育環境をつくると子どもたちにも親たちにも夢をばらまいてきました。
 結局は町の未来に責任のある町行政と町議会はおろかな施策を見直す最後の機会を、そして今の学校を存続させ、より発展させることが能勢の新しい教育のよりどころとなる最後の機会を、さらに子どもたちが能勢で育ち能勢で暮らし、また能勢から去ってしまったひとびとに帰ってきてもらうために新学校建設に使う予定のまとまったお金を使い、住民参加のもとで町おこしを進める最後の機会を、さらには能勢の里山観光の拠点として機能するビジターセンターを建設する最後の機会をなくしてしまいました。
 そういえば、旧府民牧場の桜は見事で、他の町からもたくさんの人びとが府民牧場と道の駅に訪れていたものでした。

 議会の傍聴はそんな感じでしたが、たったひとつとてもうれしいことに、わたしたちの地域から選出された議員が賛成議員のひとりだったことでした。彼女は前回の選挙で初当選しました。
 学校建設問題では町長が最初は公約どおり建設見直しを表明していて、また現存の学校の耐震化を並行してすすめようとしていたこともあり、最初は町長に好意的だったと思います。
 そんな彼女が、住民投票条例制定請求に賛成の意見を述べてくれたことはとてもうれしいことでした。最初はとても緊張されていたようですが、適格な意見を述べておられたと思います。
 住民サービスの低下の懸念や、大きな建設費による財政破綻の懸念などはまったくその通りだと思いましたが、彼女はそこからもうひとつ踏み込み、新学校建設がほんとうに新しい教育にとって必要なのかと町長と全議員に問いかけました。
 これからの教育は右肩上がりの時代のままの教育ではなく、経済成長のない社会にあって心の豊かさや生活の質を問い直す教育を必要としているのではないか。ほんとうに身丈にあった行政運営とは、今ある能勢の豊かさを大切にしたものでなければならないはずで、多額の建設費もさることながら根本から教育の在り方を問い直し、スクールバスで通う学校がほんとうに必要なものなのかを考えるために、あらためて住民に問うべきなのではないかと発言されました。
 住民が選んだ議員による間接民主主義によって戦後の民主主義はここまで来ましたが、積極的自衛権や秘密保護法案や原子力発電所の再稼働問題など、個々の切実な課題を議論も充分でないまま推し進められる政治や社会の在り方に、わたしは疑問を感じます。
 今回の能勢の新学校建設問題もまったく同じで、選挙で選ばれた町長や議員がすべての課題を決定する権利があるとするのでは、個々の切実な問題を個別に真摯に検討することが放棄されてしまう危険があると思います。だからこそ、住民投票による直接民主主義のツールも確保しておくことはとても重要なことだと思うのです。
 その観点からもその女性議員が住民投票参加条例請求に賛成しただけでなく、その請求がされたことを議員として感謝の意を表明されたことは、とても意味のあることだとわたしは思います。

ブログ「能勢町 学校統廃合を考える」
この問題についての詳しい情報が掲載されています。

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