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2014.06.30 Mon 能勢新学校建設計画の賛否を問う住民投票を求める署名運動

 能勢の新学校建設問題は、最終局面になりました。8月21日に建物建設の入札が行われ、9月議会で承認されると、もうあともどりはできません。
 町行政も町議会の多数派も新学校建設推進につき進んでいます。わたしの住む地域は新学校建設地に近いことから、今で30分以上歩いて通学していた近所の子どもたちも親も、近くに新しい学校ができるのはうれしいことで、反対の意見はなかなか聞けません。また、遠くなる地域のひとたちもスクールバスに乗って新築の学校に行けると喜ぶひとたちも多いこともまた事実です。そのうえ、新学校の制服も今から購入をすすめていて、いやがおうにも子どもたちと親たちの期待をふくらませ、新学校建設がバラ色の計画のようなムードづくりをしています。
 しかしながら、現在の6つの小学校と2つの中学校は能勢町のそれぞれの地域の町民のコミュニティに支えられ、学校もまた世代から世代へと未来を託す教育の場としても、また地域のコミュニティを支える拠点としても地域のひとびとに愛されてきました。その歴史をすべて捨てて、能勢町の西南の端に小中一貫校に近いかたちで新学校を建設するというのはやはり乱暴ではないでしょうか。
 全国の山間の町村に共通する人口減を見越した計画なのですが、子育てする環境をどんどんなくして行けばますます能勢町から住民は出て行き、また能勢町に来たいと思う人も現れないでしょう。地理的には大阪からも京都からも近く、こんなに豊かな自然と、それと寄り添う形で先人たちがつくりあげてきた里山の暮らしも文化もなくなっていく運命にあるのでしょうか。
 里山での働く場をどうしてふやしていけるのか、また町外で働きながらもやはり能勢に住みたいと思うひとたちをふやしていくにはどうすればいいのか、さらには未来を担う子どもたちが20世紀の経済成長とともにあった教育から、里山の懐に抱かれ、ひととひとが自然とひとが共に暮らし、助け合って生きていける社会をめざす教育への転換をどんな道筋ですすめていくのか、たしかに言うは易く実行するのは困難な道で、批判するだけではだめなことは承知しているつもりです。
 それでも、新学校建設が過疎化を止めるための計画ならまだしも、過疎化の流れと人口減を先読みするだけのことならば、能勢の未来に希望がもてないのではないでしょうか。しかも能勢町行政によれば新学校建設に必要な40億円のねん出のため財政調整金を取り崩し、2019年からは赤字に転落し、財政破たんに陥る恐れがあるとのことです。
 そもそもの問題のひとつだった現在の8つの小、中学校の耐震化には50億円の費用が必要とされましたが、そのほとんどは国からの補助金で賄える可能性が高いことや、新学校の建設費40億円のうち国の補助金は8億5000万円で、さらにはスクールバスの運行費用など、既存の建物の耐震化よりも多額のお金が必要なことは、あまり町民には知らされてきませんでした。国からの再三の助言があったにもかかわらず、現在の町長が提出した現在の学校の耐震化も町議会の新学校推進派の議員によって否決されてしまいました。
 新学校建設を見直すべきだと考えるひとびとの中には学校教育そのものの観点や、学校を中心とする地域のコミュニティの観点、また災害などの緊急時の避難所としての学校の役割の観点から、いくつかのグループが運動をされてきました。
 そのうちのひとつ、「能勢を財政破綻から守る会」が最後の署名活動をされていて、わたしたち夫婦も賛同し、署名の呼びかけをしました。といっても能勢に来てまだ3年で知り合いが少なく、ほとんど役には立ちませんでしたが、それでもこのことを機会により関係を深めることができたひとたちもいて、これからの能勢を共に考える上でも、またわたしたち自身の人生においても有意義なことでした。署名数も計画の賛否を問う住民投票条例制定を請求するのに必要な人数が集まったようです。
 下の記事は毎日新聞の報道記事です。

大阪・能勢町:学校統合「住民投票で」 反対派が署名活動
毎日新聞 2014年06月23日 07時20分
 大阪府能勢町が公立の全小中学校計8校を統合して新学校を建設する計画を巡り、反対する住民団体が計画の賛否を問う住民投票条例制定を求める署名活動を始めた。新学校建設には町の一般会計当初予算に迫る約40億円が必要で、町は財政調整基金をすべて取り崩して対応するが、2019年度以降は赤字に転落してしまう見通しを示している。住民団体は「危機的な財政の中で建設する必要はない。今ある学校を使えばいい」と訴えている。
 計画は2016年4月、町立の6小学校と2中学校を旧おおさか府民牧場跡地(約17ヘクタール)に統合するもので、現在は造成作業を進めている。しかし、町によると、昨年度に約32億円あった財政調整基金は新学校建設などで18年度に使い果たし、その後は赤字に転落する見込みだ。
 こうした状況を受け、住民団体「能勢を財政破綻から守る会」は20日、住民投票条例制定を求めて署名活動を始めた。請求には有権者数の50分の1以上の署名が必要。2日時点の有権者数は9838人で、約200人分が集まれば請求できる。会のメンバーは「人口減少を食い止めないといけないのに、子育て支援などの住民サービスを低下させてまで巨費を投じる必要があるのか。新学校を建設して町が破綻すれば本末転倒だ」と疑問を呈する。
 町は新学校建設などに伴い、財政健全化を目指す「行財政改革プログラム」を策定。プログラムでは人口減少による財政規模の縮小などから将来、財政再生団体に陥る恐れもあると指摘し、「危機的な状況と判断せざるを得ない」としている。破綻を避けるため、中学生以下が対象の「子ども医療費助成」(今年度1500万円)の見直しや町内の診療所の統合なども検討して歳出を減らす方針だが、住民サービスの低下が懸念されている。
 町は新学校建設について「少子化が進む中、豊かな自然環境にある新学校に子どもたちを集めて教育効果を高める」と説明している。
 住民らは計画を巡って11年にも条例制定を求めて署名を集め、必要数の10倍以上が集まったが、町議会が住民投票条例案を否決した。昨年6月には町内の教職員のほぼ全ての約105人が計画凍結を求める要望書に署名し、山口禎町長らに提出した。建設費が国の基準を大幅に上回るため予算執行の停止を求めた住民監査請求も出されており、反発が相次いでいる。【田辺佑介、村上尊一】

十分な説明必要
菅原宏太・京都産業大学教授(地方財政論) の話
なぜ巨費を投じるのか十分な説明が必要だ。
財政調整基金が底をつけば、予期せぬ事態に対応できなくなる危険性がある。
将来、財政破綻する可能性を示しながら新学校建設の計画を進めるのであれ
ば、破綻を避ける財政プランをまず住民に説明すべきだ。
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