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2013.12.11 Wed 島津亜矢と「僕らの音楽」

 もうすぐ発売される島津亜矢の「かあちゃん」はわたしもとても楽しみにしていますが、「縁」、「SINGER2」ときて、「かあちゃん」というプロデュースはさすがに少しびっくりしました。もちろん、わたしの場合はまだ島津亜矢の歌を聴いていないので歌と歌唱についての感想は持ちえません。またこの歌を歌いたいと島津亜矢本人が言ったのか、あるいはこの歌を歌わせたいとプロデューサーが持ち込んだのかも知りませんが、どちらにしてもシンガー・ソングライターの歌を歌うのは、島津亜矢らしいなと率直に思います。
 シンガー・ソングライターは良くも悪くもそのひとがほんとうに歌いたい歌をつくっていて、肉声のごつごつした感触がある歌が多いと思うのですが、時代を越え、ジャンルを越えて歌を見事によみがえらせる島津亜矢によって、この歌がより広くよりちがった世界で花開くことでしょう。
 島津亜矢にとって「帰らんちゃよか」からはじまる、カバーでもなくオリジナルでもなく、そのどちらでもあるようなシリーズの2曲目として、「かあちゃん」が巷に流れていけばいいなと思います。

 さて、一方で「SINGER2」ですが、島津亜矢サイドの問題として、これだけのアルバムが一部のファンの間にとどまっているのはあまりにも勿体ないと思います。
 実際の売れ行きとかはよくわからないのですが、もう少し情報宣伝ができないのでしょうか。これはほんとうに素人考えで、とんでもない営業が伴うのかもしれませんが、これだけの幅広いポップスが収録されているのですから、「ミュージックステーション」は別としてフジテレビ系の「僕らの音楽」への出演交渉などは無理なことなのかなと思います。
 あくまでも費用対効果でいえば紅白に出るのと変わらないぐらい、島津亜矢のポップスがJポップスのファンに届くことで、大きな展開のきっかけができるかも知れません。
 わたしはたびたび書いていますが、音楽的な冒険や深い感動を呼ぶ音楽が生まれる可能性は、残念ながらJポップスの分野にあると思います。よくも悪くも歌の作り手も歌い手も聴き手も演歌よりもはるかに多くすそ野が広いため、時にはあまり音楽産業による情宣も営業もなくてもラジオやSNSなどで個人から個人へと広がる可能性も持っています。
 そういえば、かつてはパチンコ屋さんや居酒屋さんなど町のどこかで歌が流れていたように思うのですが、最近はひとりひとりがイヤホーンから流れる歌を聴いているようになってしまいました。(わたしもまた、島津亜矢の歌をイヤホーンで聴きながら通勤バスや電車に乗っている始末です。)
 演歌の衰退は歌が流れる裏通りや路地裏、都市の袋小路など、「巷」がなくなったことからはじまったのかも知れません。Jポップスはイヤホーンの小さな穴から穴へとつながる閉ざされたバーチャルな空間で音楽を聴くリスニングスタイルにピッタリな音楽だと思います。
 しかしながら、暗闇を走る見えない糸からしか音楽が聞こえてこないとしたら、ほんとうの音楽、ひとからひとへ、愛を必要とする現代人にこそ渇望される肉声の音楽、心のふるえが止まらないむき出しの音楽、雑音とまちがうほどの心のざらつきが刺さるような、そんな叫びにも似た肉声の音楽が生まれることは絶望的といってもいいと思います。
 島津亜矢は孤立をおそれず孤独にひるまず、まだかろうじてひとびとの心に残る巷を持つ、数少ない肉声の歌手だとわたしは思います。
 だからこそ、「僕らの音楽」のようなJポップスの拠点に乗り込み、道場破りするしかないのかなと思ってしまうのです。そして、まだ出会っていないソングライターやプロデューサーとのコラボレーションから、島津亜矢の「演歌」の彼方とJポップス、ロック、R&B、ジャズ、ブルーズへと限りなくたどる彼方がひとつの地平線で結ばれた時、島津亜矢の音楽は箱庭のようなジャンルからあふれ出し、道路の舗石を覆して、「僕らの時代」(?)そのものの肉声を奏でることでしょう。
 と、夢みたいなことを思ってみてもしかたないことかもしれないのですが、せめてもう少し時間的にもマネージ的にも余裕があれば、「SYNGER2」のアルバムによるライブがあればいいのになと思います。そのライブに、Jポップスからゲストを迎えてもいいかも知れません。たとえばJUJUなんかとコラボレーションをすればかなり刺激的な音楽が聴けると思います。
 もっと実現可能なライブであれば、「わかってください」で見事な演奏をきかせてくれた吉田弥生のピアノだけのライブも評判を呼ぶと思います。
 これらすべてが夢物語かもしれないのですが、島津亜矢の幅広い可能性を開花させ、世に知らしめるのには、今の活動を少しスローダウンしてでも幅広いプロデュースを望みたいのです。
 こういう風に考えていくと、しかしながら聴く者の心をつかんで離さない島津演歌も絶対に捨てられず、せりふもしかり、芝居もと、やはり島津亜矢というひとは才能が有りすぎてプロデュースが難しい人なのだとつくづく思います。実際にプロデュースされている人たちはほんとうに苦労されていると想像します。しかしながら、だからこそ未知なる可能性がどんどん広がり、この上なくやりがいのある稀有な逸材とともにある島津亜矢チームはとても幸せともいえます。
 そして、島津亜矢のファンであるわたしもまた、島津亜矢チームの絶え間ない冒険を受け入れ、共に爆走する勇気と信頼を持ち続ける幸せを感じています。

 なかなか、「SINGER2」に収録されている歌について書けていませんが、次回からは本気になって書いてみたいと思います。

島津亜矢「かもめはかもめ」
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S.N : URL 「かあちゃん」

2013.12.12 Thu 01:22

tunehiko 様

島津亜矢さんの 「かあちゃん」 を聴きました。CDでも聞きましたが胸にズーンときました。NHKラジオ第一の『きらめき歌謡ライブ』で最後に歌われましたが、私は、大晦日「紅白」の大トリのつもりで聴かせていただきました。本当に素晴らしい歌唱でした。歌曲と言ってもいいと思います。tunehiko様の言われるようにJポップを聞いている人たちにも一度、島津亜矢さんの唄を聴いてほしいものですね。

tunehiko : URL ありがとうございます

Edit  2013.12.12 Thu 22:00

S.N様
いつもお世話になっています。
わたしはまだ「かあちゃん」のCDを手に入れていないのですが、「亜矢姫倶楽部」で亜矢さんの歌唱を聴いたところです。
想像以上でした。
ここまでくればすでに演歌もポップスもなく、「島津演歌」のはじまりかなと思いました。


フィレオ― : URL 音楽芸術

2013.12.13 Fri 11:16

皆さん今日は。

「かあちゃん」きらめき歌謡ライブの生の歌唱も聴きました。
つねひこさんの嘆きよく解ります。
しかし私達には希望があります。

間違いなく姫様は、プリマであり、ディーバです。
きっと姫様が多くの人たちに支持されること確実です。
祈って待ちましょう。  

歌を超えて芸術の域に入って居られる「島津亜矢」かあちゃんです。

tunehiko : URL ありがとうございます。

Edit  2013.12.13 Fri 12:04

フィレオー様
いつもおせわになっています。
今回の記事はすこし筆(?)がすべってしまった洋です。お許しを。
「かあちゃん」、今日注文しました。
少し視聴しましたが、びっくりしました。
じっくりと聴くのをたのしみにしています。

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