ホーム > 音楽 > 島津亜矢 > 島津亜矢・アルバム「BS日本のうた」 

2012.09.23 Sun 島津亜矢・アルバム「BS日本のうた」 

 先日、島津亜矢のCD「BS日本のうた 1」を購入し、2、3日前からずっと聴いています。このシリーズは島津亜矢がNHKの「BS日本のうた」で歌った歌を再度独自に録音したものです。今年7枚目のアルバムが発売されるのですが、一枚目のアルバムは1999年から2002年までの3年間にこの番組で歌った歌16曲を収録したものです。
 「俵星玄蕃」、「演歌桜」、「夜桜挽歌」、「黒百合の歌」、「愛燦燦」、「風雪ながれ旅」、「長崎の鐘」、「波」、「影を慕いて」、「無法松の一生」、「火の国の女」、「おさん」、「川の流れのように」、「川」、「女の港」、「一本刀土俵入り」と、タイトルを並べてみて、一枚目のアルバムは演歌ばかりですがこれ以後ポップスも数多く、ジャンルをものともしないボーダーレスな選曲と歌唱力で島津亜矢の才能がいかんなく発揮された名品だと思います。
 最近はJポップスやAKBやジャニーズ系などのアイドルの露出が目立つ中、「BS日本のうた」は同じNHKの「歌謡コンサート」とともに、演歌歌手が出演する数少ないテレビ番組です。かつてBS放送があまり普及していなかった時期、今以上に島津亜矢は数多く出演し、ファンの方々によればこの番組の貢献者であったようです。
 今のようにBS放送が普及する前のこの番組は音楽的にもエンターテイメントとしても冒険的で実験的な番組だったのでしょう。わたしは残念ながらその頃はBS放送を見ていなかったのですが、たとえば今でも番組の後半の40分を2人、もしくは3人の歌手が共演するスペシャルステージがありますが、当時はひとりの歌手のワンマン(ウーマン)ショーをしたり、以前にも取り上げましたが島津亜矢とキム・ヨンジャが「命かれても」を競演したりと、とても大胆な番組だったようです。
 当時この番組をつくっていたひとたちが今でもかかわっておられるのかはわかりませんが、ある意味、彼らにとって島津亜矢は番組構成の上でとても貴重な存在だったのかも知れませんし、島津亜矢にとっても彼女の音楽的な冒険が大きく花開くきっかけになったのではないかと思います。
 このアルバムを聴くと、番組そのものの収録ではありませんが、その頃の番組の熱気とともに島津亜矢がその一曲一曲といかに真剣に向かい合ってきたのかが、歌のうまさや恵まれた天性の声以上に伝わってきます。
 このアルバムに収録された歌は彼女のその時々のリサイタルやコンサートで歌っていて、彼女のステージをより幅広くより豊かにする大切なものになっています。番組自体の映像はユーチューブにアップされては削除され、またアップされるという現状ですが、とにかく「すごい」の一言しかでないパフォーマンスに圧倒されてしまいます。わたしはとくに「船頭小唄」、「命かれても」、「川」、「なみだ船」に衝撃をうけました(たしか今は「船頭小唄」は削除されているのではないかと思います)。

 わたしは他の演歌歌手のライブに言ったことはなく、またCDを買ったこともないのでおそらく独りよがりのことを言っていることが多いと思いますが、そこはお許しいただきたいのですが、わたしは島津亜矢はもっともっと多彩な冒険のできる稀有な歌手だと思っています。さらに言えば、あまりにも大きな天才ゆえに、彼女の歌をプロデュースするのは至難の業で、これといった決め手は恩師の星野哲郎でさえも掴みかねていたのではないかと思います。どんな歌を提供してもあっさりと歌いこなし、これはあんまりのミスマッチだと思われるジャンルもあっさりと越えてしまう島津亜矢に、作り手のひとたちは時々手詰まりになることがあるのではないかと思います。
 彼女がデビューして26年の足取りをたどってみると、星野哲郎、船村徹、弦哲也、浜圭介、そして作曲家としても島津亜矢に名曲を提供している北島三郎など、演歌のジャンルで活躍する作家の作品が数多くあるのですが、それらの曲がヒットするとかしないとかいうレベルではなく、ひとつの枠の中にはまることができない彼女のあふれる才能を活かしきる楽曲を提供するのはたやすいことではなかったと思うのです。
 それが計り知れない才能を持ってしまった島津亜矢という歌手の栄光であるとともに、ある意味彼女が背負わなければならなかった宿命でもあるのでしょう。
 ですから、昨年の阿久悠の遺作詩を島津亜矢のために作曲されたアルバムはとても新鮮でしたし、島津亜矢の可能性を遺憾なく発揮されたアルバムで、島津亜矢の傑作のひとつとして後世に残るものと確信しています。
 「BS日本のうた」シリーズは、オリジナリティの音楽性を問うような冒険はありませんが、そのころの番組のプロデューサーが選んだのか、それとも島津亜矢サイドとの共同の選曲かはわかりませんが、それでも彼らが島津亜矢という稀有の歌手にこの歌を歌わせたいと彼女の可能性を追求し、その反響がさらに彼女の才能を切り開いていく「ゾクッ」とするようなプロセスをともに体験したことが、それらの曲をあらためてレコーディングして世に出す企画が実現したのでしょう。
 このシリーズは今年の10月に発売される7枚目まで、いずれも16曲が収録されています。7枚で合計112曲の一曲一曲に精魂込めて歌ってきた島津亜矢は、まちがいなくこの番組で今に至る大切な財産を作り上げたことはまちがいのないことだと思います。
 これからは彼女自身のセルフプロデュースにより、星の数よりも多い歌の数々をすくい上げ、その歌に新しいいのちを吹き込み、わたしたちに届けてほしいと願わずにはおられません。個人的にはかつて竹中労のプロデュースで美空ひばりがジャズのスタンダードを歌ったように、ジャズやR&Bの名曲を島津亜矢が歌うアルバムがあればと夢見ています。
 このアルバムに収録されているひとつひとつの歌についても新しい発見があり、また機会があれば書いてみたいと思います。
 わたしは少し無理をして、10月11日の滋賀のコンサートに行くことにしています。大阪の柏原のコンサートが台風で中止になってしまいましたので、5月の名古屋での座長公演以来のライブとなります。それまでしばらくはこのアルバムと同じ頃のリサイタルのDVDを楽しみたいと思います。

島津亜矢 CD「BS日本のうた」

島津亜矢 元禄名槍譜・俵星玄蕃

島津亜矢 川
関連記事

web拍手 by FC2

Comments

name
comment
株の勉強 : URL

2012.12.06 Thu 12:46

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

tunehiko : URL ありがとうございます。

2012.12.06 Thu 18:13

コメントありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

comment form

Trackback

FC2Blog User

  1. Trackback