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2012.04.06 Fri ふたたび、島津亜矢リサイタル2011「曙光」

島津亜矢リサイタル2011「曙光」

 ひさしぶりに、島津亜矢リサイタル2011「曙光」のDVDを観ました。彼女のDVDはすでにほぼ買いそろえていて、あと2010年版と、この4月4日に発売された1997年と2000年を買えばリサイタルについてはすべてがそろうことになります。
 2010年版リサイタルは、昨年初めからコンサートに行くようになりましたので、少し内容がちがいますがやっとライブとDVDを一緒に楽しめるようになりました。
 ここしばらく仕事がいそがしく、ゆっくりと島津亜矢を楽しむことができなかったことと、次の新歌舞伎座まで少し間があいてしまっていて、もっぱら外出の時にICレコーダーで楽しむ他ありませんでした。
 さて、少し仕事も落ち着いたところだし、テレビもまだドラマの新シリーズも始まらず、苦手なバラエティー番組ばかりなので、いざ島津亜矢のDVDで楽しもうといま手持ちのDVDのどれにしようかと考えました。
 実際のところ2010年と2011年以外はライブに行けていないので、どの年の島津亜矢を観てもかわいくて歌はうまいし、名作歌謡劇場と世界に通じるポップスのエンタテイメントに酔いしれることができるのですが、今回はやはり最新のDVD、2011年の「曙光」に手が伸びてしまいました。
 わたしは年末に延期になった梅田芸術劇場でのライブを観ましたが、東京のNHKホールのリサイタルを収録したこのDVDと同じ内容のものでしたので、場所はちがいますがライブを観た時の感動を呼び起こしてくれるこのDVDをあらためて観て、ほんとうに素晴らしいと思います。
 どう言えばいいでしょうか。ほんとうにいままでとまったくちがう島津亜矢を観たということでしょうか。もちろん、先ほども言いましたように、このひとはファンや観客を裏切らない舞台を毎年用意できる天賦の才能を持ち、それに甘えない努力をする歌手ですが、それにしても今回の舞台はぞくっとする色気とともに、これまでとはあきらかにちがうスケールの大きさとみずみずしい繊細さをあわせもった豊かな表現力に圧倒されるのです。
 その意味で言えば、NHKホールでのリサイタルはこのシリーズの初日だったこともあり、梅田芸術劇場の時よりも緊張感があり、よりすばらしい出来栄えだったのだと思います。
 「一本釣り」からはじまり、阿久悠作詞の曲を収録したアルバムの全10曲を歌う構成は、最初は観客の方々も戸惑いがあったでしょうが、すぐに島津亜矢のこの舞台に賭ける並々ならぬ情熱と、CDでは伝わらない歌の深みが届けられることで、いつのまにか彼女の新しい舞台に溶け込んで言ったように感じました。それはたとえばCDは芝居の脚本でしかなく、それを生身のプレーヤーが音楽にし、島津亜矢が肉声と立ち振る舞いで演劇空間をつくりだす、といった感じでしょうか。
 そして、斎藤功のギターにおびき出されるように歌の女神・島津亜矢が「麗人抄」を歌いだすと舞台は一瞬にして色がかわり、まだ踏み入れない荒野のようで、子どもの頃神社の裏庭から広がるなつかしくもいとおしい森の中に誘われのでした。
 ほんとうに、阿久悠が生きていたら、そしてこの舞台を観たらどんな言葉をわたしたちにくれただろうと思います。そして願わくば今、彼女のために歌をつくってほしかったと残念でなりません。
 完成度が高く、それでいてまだまだ伸びしろをたっぷりと残してくれているこの舞台に、場所はちがえど立ち会えた幸運を感謝したいと思います。
この舞台では、尺八の素川欣也、津軽三味線の金沢大成に加えて、このリサイタルの直前に障害者ミュージシャンの「ゴールドコンサート」にゲスト出演して出会った穴澤雄介のバイオリンで「帰らんちゃよか」を歌いました。 いままでの「帰らんちゃよか」とは少しちがい、目が見えないためアイコンタクトとはちがう息使いや空気感、そしてお互いの発する音の表情を読み取ろうとする2人の音楽的対話がとても魅力的でした。

 この舞台を観ていると、島津亜矢がファンや観客を裏切らないだけではなく、ファンや観客もまた、島津亜矢を裏切らないことを実感できます。ほんとうはかなり器用で、どんなジャンルの歌でも歌ってしまう彼女を「演歌」という領域にとどめていいのかと思うのですが、その一方で「演歌が演歌らしく」なるために、彼女の存在と役割もまた計り知れないことも事実としてあります。
 演歌と縁がない人(たとえばわたしもそうですが)の中で、島津亜矢の歌が演歌であるかどうかとはかかわりなく、彼女の魅力に取りつかれてしまう人はたくさんいることでしょう。わたしもポップスのカバー曲をうたう彼女も大好きですが、ドラマティックに「演歌」を歌い、まるで唐十郎のテント芝居のエンディングに、たなびくテントの向こうの闇に照らされ光る振袖姿のヒロインのように、腕を突き上げ舞う島津亜矢がもっと大好きです。
 デビュー以来、長い年月を恩師・星野哲郎の歌のように「地道な努力」を積み上げ、あたかも毛沢東の「長征」のように、あるいはガンジーの「塩の道」の行進のように、歩きつづけ、最初は少なかったであろうファンという、共に歩く人も年を追うごとにふえつづけ、今までぶれずに歩いてきた我らがディーバ・島津亜矢がこれからどんな進化をしつづけ、わたしたちファンをどこに連れて行ってくれるのか、ほんとうに楽しみです。
 そう思うと、たしかに出演する方が歌もヒットするでしょうし、より多くのひとたちがファンになるきっかけになるかもしれませんが、「紅白」に出るとか出ないとかにまどわされることもないのではないでしょうか。
 ともあれ、近づいてきた大阪新歌舞伎座が楽しみです。今回はこの間も一緒に行った豊能障害者労働センターのIさんと、もう一人、左官屋さんで、わたしの信頼する友人であるOさんと行きます。
 そして、注文している2000年リサイタルのDVDを手に入れて、阿久悠作詞の「熱き心に」を聴くのが楽しみです。
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