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2011.03.19 Sat 「わたしの方がまちがっているのでしょうか。」

 東京の友人から電話があり、彼の会社はドイツに本社があり、社員全員が本社の指示で家族もふくめて大阪に避難してきたとのことです。
 そんな現状の中、とりわけ福島がとても心配ですが、その福島の郡山のグループが救援活動の拠点をになってくださることになりました。仙台にも引き受けてくださる予定の団体を訪ねる予定で、いよいよ東京も大阪も障害者救援本部の活動が具体的になってきました。その活動にあわせて、これからすごいスピードで被災地の障害者の情報が入ってくると思います。

 今日、ゆめ風基金の事務所につめていると、一本の電話がかかってきました。ひとりの女性からの電話で、受話器をにぎりしめ、張り詰めた空気を突き破るように絞り出した声でした。
 「わたしの話を聞いて下さるだけでいいのです」と、彼女は語り始めました。
 彼女は11才の「自閉症」のお子さんとの2人家族で、そのお子さんが6才の時に彼女の方が体をこわし、お子さんは施設で暮らすことになってしまったそうです。
 普通なら施設から学校に行くのですが、地震の日は風邪をひいて施設にとどまっていました。
 彼女はお子さんが無事か心配で携帯電話もつながらず、駅の公衆電話を2時間待ってやっと施設につながりました。けれども駅の構内が非常時のアナウンスが大きくて、こちらの言うことも相手の言うこともどちらも話がわからず、お子さんの安否がわからないまま切れてしまいました。
 その後、一度形態に留守電が入ったのを取り損ねてしまい、施設長から安否もいわずに「また連絡します」という伝言が記録されていました。そこでまた公衆電話を1時間待って連絡し、やっと施設長から「お子さんは無事です」と言われました。
 彼女は「まだ余震がつづいているので、連絡をしますが安否や状態を職員のどなたでも応えられるようにしてください」と要望しました。そして次の日、どうしても連絡したいことがあり、電話すると施設長から「他の子どももいるから、もう電話するな。そんなに文句があるなら、どこへでも訴えたらいい」と、怒鳴られたそうです。

 「わたしの方がまちがっているのでしょうか。こんな非常事態の中で、心配になって1、2度電話をつづけて電話をかけるるのは、ひとりの母親としてそんなにまちがっているのですか?」
 場所を聞く神奈川県だと聞き、話が食いちがって彼女の一方的な言い分というには、あまりにも施設の対応の悪さに悲しくなりました。
 「こんなこと言ってはいけないのはわかっていますが、岩手や宮城の避難所の親子をテレビで観ると、わたしよりずっと苦しいはずなのに、うらやましくなるのです」と言う彼女の言葉の裏に、今も通院をつづける健康状態から、子どもを施設に入れていることへのある種の気持ちも感じられ、心が痛みました。
 「措置から利用へ」と謳われても、結局はどうしても「預かっている」という意識が施設にはあるように思います。
 「行政の相談窓口か、生活支援センターなどで、施設を変わるか2人で暮らせる方法はないか相談されたらいい」としか言えませんでしたが、「話を聞いてもらえただけでうれしかったです」と言われて、電話は終わりました。 
 「電話をかけてくる時点で、問題はもう解決している」ということも、たしかにあるかも知れませんが、わたしは「話を聞いてくれただけでうれしい」と言わせてしまうことに、どこか無性に悲しくなるのです。 
 
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