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2017.08.10 Thu ふたたびコンクリートから人へ、国民の生活が第一 民進党の代表選に想う

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 民進党の代表選は前原さんと枝野さんの一騎打ちになりました。
 民主党政権の顔だった二人で、新鮮味がないという声も聞かれます。というより、そもそも民進党への期待がほとんどない世情ですから、民進党内でしか通じない力学で代表選が行われるということでしょう。
 2009年から1012年の3年間の民主党政権はその期待が大きかった分だけ失望も大きく、凋落のプロセスの中で紆余曲折を経て民進党となりました。
 民主党政権時代を今では失われた3年といわれ、今の安倍自民党政権が支持されるのは、それに代わる受け皿になれない民進党の不人気が原因ともいわれます。
 わたしは民主党政権がそんなにひどい政権だったと思いません。もし政治にも青春時代があるとしたら、民主党政権はまさしく戦後の日本社会の何度目かの「青春」だったのではないかと思います。
 政権誕生の1年前にリーマンショックがあり、国際社会をけん引してきた新自由主義とグローバリズムへの疑問、そして2011年の東日本大震災と、日本社会をはじめ世界のそれまでのスタンダード・ルールが揺らいだ時でした。
 当初、脱官僚・政治主導、地域主権、新しい公共、コンクリートから人へ、国民の生活が第一、などの大きな夢や理念がありました。鳩山さんはさらにカント哲学に通じる「友愛」という自分自身の理念もそれに付加していました。
 わたしは政治や経済もまた夢を見ると思っていて、民主党の掲げる夢・マニフェストはとても魅力に感じましたが、当然のこととしてそれを実現していくにはわたしたち国民ひとりひとりの支えと忍耐が必要でした。
 無駄な公共投資をなくすための仕分けや、東日本大震災を教訓に「原発に頼らない社会」、「経済成長に頼らない豊かな経済」を目指す施策に理想主義で無策な政府というレッテルも張られました。
 「政治は理想でも夢でもない」と野党になった自民党が「決められない政治」と攻めまくり、結局は新しい社会のありかたを見つけることよりも、「経済を立て直してくれること」を多くの人々が望み、自民党の復権となったのだと思います。
 2012年12月に政権を奪回した自民党・安倍政権は「アベノミクス」というイメージ戦略のもと「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」という「3本の矢」で、長期のデフレを脱却し、名目経済成長率3%を目指すとしました。
 公共投資の復活と大幅な金融緩和で株価は倍になり、大企業の資産が大幅に増え、大幅な円安で輸出産業が潤い、世間では景気が一気に良くなった空気が流れました。
 実際は民主党時代の経済はリーマンショック以後緩やかに改善されてきたと思うのですが、なにぶん高度経済成長をもう一度と言わんばかりのカンフル注射のような政策によって無理やりの経済成長をもくろんだアベノミクスは、そのネイミングの良さもあり、数多くの人々の心をつかみました。
 民主党もまた一度政権を取ったサクセスストーリーが忘れられず、当初の理念よりもアベノミクスに対抗するために原発政策や共産党など他の政党との共闘の見直し論議を繰り返し、政権奪取の受け皿になるためには評判の悪い民主党という党名を「民進党」としました。
 わたしは今の民進党にはなんの期待も持てないのですが、それでも今回の代表選の結果、大きな分裂が起こるのではないかと思います。憲法に関してはどちらも改憲論者ですが、原発を認めるのか、そして共産党との共闘をすすめるのか、それに決着をつけ、大きく二つに分かれてしまった方がわかりやすいのではないかと思うのです。
 いまささやかれている政界再編成は、東京都議選を圧勝した小池新党「都民ファースト」の勢いを国政にと「日本ファースト」が設立され、ゆらいできた安倍一強政権の受け皿になろうともくろんでいます。この言い方はあまりよいとは思えませんが、いわゆる保守で二大政党を目指していて、日本維新の会と同じ動きだと思います。いざとなればこの二つが合併することもないとは言えません。
 そうなればますます戦前の翼賛状態になってくるのが心配ですが、民進党がたとえ割れても、細野さんにつづく保守勢力は保守新党へと去っていただき、勢力がガタ落ちになってもかつての夢を語れる民主党にもどってほしいとわたしは思うのです。
 すくなくとも、蓮舫というとっておきの人までも党内部の内紛に巻き込み、戸籍を公開させるという理不尽な人権侵害を平気でしてしまったことを後悔している人たちで新しい民主党を再建してほしいと思います。
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