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2017.07.19 Wed 島津亜矢が、ようやく日本の音楽シーンのメインストリームに躍り出た瞬間 TBS「音楽の日」 

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 ここ最近の島津亜矢のテレビへの露出は際立っています。
 7月だけでも、4日のBS-TBS「日本名曲アルバム、7日のNHK「ごごウタ」、8日のBS-TBS「我が心の歌~船村徹名曲ベスト10」、15日のTBS「音楽の日、」16日のNHK-BSプレミアム「新BS日本のうた」と続き、昨夜もNHK「うたこん」に出演しました。
 音楽番組に関心のない方は別にしても、ファンならずとも彼女を見る機会が少しは増えているのではないでしょうか。
 このブログでは、できるだけ出演した番組の報告をしてきましたが、さすがに書く方が追いつかず、すべての報告はできにくくなりました。
 これまでのところで、新歌舞伎座のコンサートでの「一本刀土俵入り」について書けずじまいになってしまいました。また、「黒い花びら」については、永六輔さんの記事の中で書こうと思います。
 今回は「音楽の日」の出演の意味と、最近の島津亜矢の立ち位置について書こうと思います。
 2011年7月16日初回放送の「音楽の日」は、長時間の大型音楽番組の草分け的な存在です。それまでは大みそかの紅白やCDTVの5時間番組はあったものの初回7時間で50組のアーティストが集結したこの番組を皮切りに、他局でも次々と大型音楽番組が始まったのでした。
 80年の「ザ・ベストテン」、「トップテン」の歌謡曲時代をへて、90年代は「HEY!HEY!HEY!」、「うたばん」などが小室哲哉などのJポップの台頭をささえました。
 それ以後、2000年代は毎週放送の音楽番組はなくなっていき、テレビはニュースから天気予報までバラエティー化が進みました。
 若者を中心にテレビ離れが進み、音楽の届け方もCDではなくダウンロードから最近は配信サービスへと移っていく一方でライブがメインストリームとなり、その流れから夏を中心に音楽フェスが各地で開かれるようになります。老舗の「フジ・ロックフェスティバル」から「サマーソニック」などが観客動員数を競い、音楽フェスのテレビ中継が盛んになりました。
 TBSの「音楽の日」などの超大型の音楽番組は、テレビ放送がスマホと共存できるようになった時代に、テレビ制作側が10時間にも及ぶ長い時間を使って企画・演出する「音楽のまつり」であるとともに、テレビがもう一度音楽シーンをけん引しようと試みる場でもあります。
 他局のフェス番組とちがい、演歌歌手も出演しているこの番組ですが、長い間演歌の枠を超えたボーカリストとして一部の熱烈なファンを育ててきた島津亜矢が、ようやく日本の音楽シーンのメインストリームに躍り出た瞬間で、画期的なことだとわたしは思います。
 同局の「金スマ」からの流れでしょうが、10パーセントを超える視聴率を誇る番組の出場は、いままでの島津亜矢のテレビ出演番組とは比較にならないインパクトを与えました。「金スマ」は今や日本の芸能界に大きな影響力を持つ中居正広の番組で、しかも30分まるまる島津亜矢にスポットが当てられ、稀有のボーカリストとしての才能がいかんなく発揮された番組でした。その中でも「SINGER」シリーズのポップスの中から、リクエストされた曲のさわりをアカペラで歌ったのが大反響となり、その後今でもこのシリーズのCDがよく売れているようです。
 「音楽の日」の司会はくしくも中居正広で、「金スマ」の時の島津亜矢の歌唱に圧倒された印象そのままに、「聞いたことがない方もいらっしゃると思いますが、あの北島三郎さんが絶賛する歌声をじっくりと聴いてほしい」と話し、安住紳一郎が「純粋に歌声に驚いていただきたい」と、ホイットニー・ヒューストンの「 I Will Always Love You」の歌唱を紹介しました。
 彼女のファンや歌謡曲ファンなら何度も聴いていますが、音楽シーン全体からみれば「金スマ」で紹介され、「音楽の日」が初披露ということになるのかもしれません。わたしたちがはじめてこの歌を聴いてからかれこれ7年がたち、中居正広と安住紳一郎があの時のわたしたちと同じリアクションとリスペクトをこめてこの歌を紹介することになるとは思いもしませんでした。
  「I Will Always Love You」の歌唱は絶賛の声しか聞こえてきませんが、わたしはずっと以前にも書きましたが、彼女に限らずですが島津亜矢のカバー曲はバラードの名曲が多く、この歌も彼女にとってはホイットニーがオリジナルだと思います。しかしながらホイットニー自身がカバーであることを思えば、島津亜矢の歌を詠む才能から言って、もう一歩の歌いこみが必要なのではないでしょうか。
 実をいうと、わたしは島津亜矢のポップスは和洋問わずまだ途上だと思っています。もちろん、演歌歌手が歌うポップスと聞けば信じられない歌唱力と声量で、ポップス歌手も真っ青という実力ではあります。しかしながら、何といってもクラシックやブルース、ジャズ、ロック、ポップスとつながる広大な音楽の領域からは、古今東西数々のボーカリストがその足跡を歴史に残しています。
 島津亜矢が今、ポップスの領域で7年遅れの大絶賛を得ているとしても、それは演歌歌手が歌うポップスという評価から抜け出しているわけではないことを、いみじくもこの番組の二人の司会者のリスペクトが証明しているのでないでしょうか。
 それはかつて、20代か30代の島津亜矢の演歌がその声量と歌唱力で、恐れられるほどの評価を得ていたこととよく似ているのです。普通に才能のある歌い手さんであればそこで完成したといってもいい高みに到達しながら、彼女はそこから苦労に苦労を重ね、日々精進の果てに大きく進化し、今や演歌においては独自の領域に達するまでになりました。
 もちろん、わたしもはじめて彼女のポップスを聴いたときは、こんな歌手がいたのかと驚きの連続でした。彼女のポップスは今でもたくさんの人々を驚かし、感動させることでしょう。
 しかしながら、わたしは演歌・歌謡曲における彼女の突出した実績を財産に、ポップスの領域においても極めてほしいと願っています。
 すでに、島津亜矢の歌の軌跡は歌唱力とか声量とかを称賛するところよりはるか遠くを歩いているのですから…。
 (つづく)
島津亜矢「I WiII AIways Love You」(音楽の日)


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