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2019.02.21 Thu 映画「最後の一滴まで-ヨーロッパの隠された水戦争」上映会

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 子どもの頃、我が家には水道はおろか、井戸もありませんでした。
 シングルマザーだったわたしの母は戦後、JR千里丘駅の近くの府道のそばの畑の一部を親切な地主さんから借りて、大衆食堂をしていました。赤貧の中でわたしと兄を育てていくために、残り物で食いつなげる食堂がいいと考えたのでした。
 水もないところで食堂など今では保健所が許すはずもないのですが、みんなが生きるのに精いっぱいの時代でしたから、届け出もせずに営業することができたのでしょう。
 水はどうしたのかと言えば、道路をはさんだ牛乳屋さんの大きな冷蔵装置から出る水をもらっていました。母がなけなしのお金を出して買ったリヤカーを自分で板張りをした台車に、毎朝大小入れ混ぜたカメを積み、もらい水をするのがわたしと兄の日課でした。冬の寒い朝などつらくて、よその家の井戸がうらやましかったのをおぼえています。
 しばらくして、そんな我が家でも井戸を掘ってもらうことになりました。近所のポンプ屋さんが住宅兼用のお店の裏で土を掘り、最初はまっ茶の水が噴き出すように出てきた時は、家族3人で大喜びしました。
水道が始まったのは1950年代からで、経済的な理由で我が家では1960年に入っていたかも知れません。

 昨年の12月、水道の民営化を改正水道法が成立しました。国や自治体が所有したまま、民間業者に運営権を売却するコンセッション方式は、水道設備の老朽化を気にせず民間業者が水道事業をすすめられますし、人口減少により利用者が減れば料金の値上げもできるようになります。そして、老朽化した設備のみが国や自治体に残されるわけです。
人々は水をめぐって争うこともありましたが、一方で水をみんなで分かち合うことで、コミュニティをつくってきたのではないでしょうか。他の消費財のように需要と供給で価格を決め、民間にゆだねていいのでしょうか。2010年、国連総会は安全な「飲料水へのアクセス」を人権の一つとする原則を承認しました。
日本でも小泉政権以来、新自由主義のもとで民営化の流れは今も続いています。しかしながら、民営化によるコスト削減のかなりの部分が人件費の削減によるもので、劣悪な条件で働く人々が病み、命を落とすこともありました。
ぼつぼつ、新自由主義の神話、民営化の神話から脱出し、公共サービスの大切さを再確認し、公共サービスをわたしたちも支え、担うことが求められているように感じます。
実際、ヨーロッパでは民営化されていた水道事業を再度公営化する動きが広まっています。その動きをとらえた映画「最後の一滴まで-ヨーロッパの隠された水戦争」の上映会をします。上映会の後、中西顕治能勢町会議員から「大阪府の民営化の動き」を報告していただきます。
水を単純な需給や消費サービスにしてはいけない公共サービスの在り方をみんなで考えるために、上映会にご来場くださいますよう、よろしくお願いします。

映画「最後の一滴まで-ヨーロッパの隠された水戦争」上映会
2019年2月23日(土) 午後7時から
能勢町淨るりシアター小ホール
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2018.12.22 Sat 「平和は訪れたのか?イスラム国(IS)後のイラク、シリアの人びと・玉本英子さんの取材映像報告」

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そして、新しい一年が
銃弾が飛び交う窓から空を見上げるこどもたちにも
焚き火の音がひびく広場から星をかぞえるこどもたちにも
しあわせな年でありますように
世界中のありったけの愛をかき集め
涙をながし手をつなぎ、歌おう
ぼくたちのクリスマスソング

 12月15日の「平和は訪れたのか?イスラム国(IS)後のイラク、シリアの人びと・玉本英子さんの取材映像報告」は60人の方々に参加していただきました。能勢町民をはじめ、近隣の町からも来ていただきました。
 玉本さんは中東の紛争地を長年取材し、家族や友人、恋人のいのちまでも奪われる理不尽な暴力にさらされる人びとに寄り添い、講演やメディアを通してその過酷な現実を一人でも多くの人に知らせる一方、理不尽な暴力と悲しみと怒りの連鎖を断ち切るために国際社会とわたしたちに何ができるのか、問いかけて来られました。
 今回の報告ではISの支配の下での公開処刑や性暴力などの虐待の事実を映像と共に話されました。くわしくは豊能町のTさんのブログをご覧いただければ幸いです。
 テレビなどの情報にとどまってしまいがちな遠い地域の悲惨な現実が、玉本さんのお話によって身近な問題なのだと実感できました。それはわたしたちの社会でそんな昔でもない時代に現実に引き起こされた暴力であり、これから起らないと言い切れない現実なのだと思いました。そして、がれきに囲まれたこどもたちのひとみに映る青空と同じ青空をわたしたちが見ていることの残酷さの一方で、玉本さんを通してわたしたちとその子どもたちがつながっていけることもまた、教えてもらいました。
 ひとは昔、峠の向こうで起こっていることを瞽女や門付け、琵琶法師、旅芸人、薬売りなどから知ったと言います。玉本さんのお話を聞きながら、わたしはジャーナリズムもまたその一つで、肉声で語り伝えられてきたものがある時、より多くの人に一斉に伝えるためにラジオやテレビが発達し、マスメディアになったのでしょう。
 今や情報の洪水にのまれ、ほんとうに大切な情報を知ることが困難な時代だからこそ、玉本さんをはじめとするフリージャーナリストの存在がどれだけ大切かを身に染みて感じた報告会でした。
 玉本さんをはしめ、この報告会のために多くの時間を費やし、応援してくださったみなさんに感謝します。

豊能けんぽうcafe・ブログ

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2018.12.06 Thu ドラマ「相棒」とフリージャーナリスト


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「あなたのいう国益とはいったい誰のための益でしょう。一部の官僚や為政者がこのような親子から奪い取った利益を、国益とはいえません。ジャーナリストの核にあるのは、ふつうの人々に対する信頼です。この苦しみを知ればほっておけないはず、この理不尽をしれば怒りを感じるはず、その想いが世の中を変えていく、そう信じるからこそ、彼らは銃弾の飛び交う戦地にも立って報道をつづけているんです。そして、桂木りょうさんもまたこの国の前線に立っていました。ふつうに生きている人々のために、この国の巨大な権力を敵に回して、たたかいました!!」
 この長いセリフは2014年元旦、テレビ朝日の「相棒 元日スペシャル ボアー」で杉下右京が犯人の公安幹部に向かっていうセリフです。
 最近はやや違ってきましたが毎年、正月に放送される「相棒」スペシャルでは、国家や為政者、警察権力の犯罪をあばくストーリーが多く、反感を感じる人たちもいます。
 しかしながら、わたしは反対に、毎回その時々の社会問題を積極的に取り上げ、それを娯楽大作としてプロデュースするこの番組に共感してきました。
 この時は特定秘密保護法を背景にしていることはあきらかで、シングルマザーの貧困問題とそれにからんだ国家の犯罪を暴こうとするジャーナリストとそれを封殺、隠ぺいする警察権力との攻防を娯楽作品にまとめながら、サイレントマジョリティのひとりであるわたしにとてもたいせつなメッセージを届けてくれたと思います。
 「知る権利」がある前に、困難とあらがう当事者をはじめとするふつうのひとびと、そして時には銃弾の飛び交う戦地に立ってでも「こんな理不尽なことがあることを知らせたい」と必死に願うジャーナリストたちが届けてくれる情報に、どれだけの切なさといとおしさとささやかな幸せを願う心が詰まっているのかを教えてくれるドラマでした。
 今回、15年以上もイラク、シリアの紛争地の取材を続けて来られた玉本英子さんのお話から、紛争地に生きるひとびとの暮らしと過酷な現実、そしてささやかな幸せと平和を願うひとびとの心に触れることで、ここ数年で「戦争をしてもいい国」に急速に舵を切りつづけるわたしたちの国の在り方を考え直す機会にしたいと思います。

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2018.12.06 Thu 平和は訪れたのか?「イスラム国」後のイラク、シリアの人びと アジアプレス記者・玉本英子さんのお話とアラブ料理を囲んで

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平和は訪れたのか?「イスラム国」後のイラク、シリアの人びと
アジアプレス記者・玉本英子さんのお話とアラブ料理を囲んで

 わたしたち、憲法カフェ・能勢は地域の活動にこだわりながら、一方で世界の紛争地域で明日自分のいのちがあるかもわからず、心を縮ませているこどもたちや大人たちの厳しい現実にも想いをはせてきました。
遠く離れたところでおびただしい血が流され、犠牲になったひとびとのかけがえのない未来が奪われる理不尽な現実は別の世界のできごとではなく、平和で安心して暮らせるわたしたちの社会で毎年2万人を越えるひとびとが自ら命を絶つ現実と、深いところでつながっていると思います。
 いつ終わるとも知れない内戦、テロと、周辺諸国をはじめとする諸国家の軍事行動による覇権争いの犠牲になる紛争地の何十万、何百万のひとびとの絶望と、他者に無関心ですべてを自己責任とする非寛容な社会のただ中で、「助けて!」と叫ぶ悲鳴を誰にも受け入れられないわたしたちの社会の絶望とは、まるで合わせ鏡のようにつながっていると思うのです。刻々と伝えられる絶望的な状況に心を痛めながら、何ができるのかを問いつづけ、ささやかな希望をつくり出す勇気をわたしたち自身に求められているのだと痛感します。
 そんな思いを形にする一歩として、紛争地のひとびとの現実と生の声を聞き、ひとりでも多くの方々とわかちあいたいと願い、フリージャーナリストの玉本英子さんのお話を聞く会を企画しました。
 玉本さんは2001年のクルドゲリラ取材をきっかけにイラク国内での取材を開始し、シリア、レバノン、ミャンマーなどの現地の情報をテレビの報道番組や新聞連載、ネット記事、講演会などを通して伝える活動をされています。また1999年にタリバンに公開処刑されたアフガニスタン女性を追ったドキュメンタリー映画「ザルミーナ」の監督をされました。
 玉本さんは直近まで紛争地の取材に行かれ、帰国後すぐの最新情報をお話しいただきます。
先日3年4ヵ月に渡って武装勢力に拘束されていた安田純平さんが解放され、「自己責任」をはじめ心無い言葉の暴力がご本人をはじめご家族、そしてフリージャーナリストのみなさんを傷つけています。
 わたしたちは紛争に巻き込まれているひとびとのささやかな幸せと平和を願い、理不尽な事実を世界中の人に伝えようと必死に取材される彼女・彼たちによる報道が紛争地のひとびとのいのちを救い、悲惨な状況から希望をつくり出す大切な力になってきたと確信しています。そして、わたしたちもまたそれらの報道によってひとびとの悲しみや絶望、希望に思いをはせ、遠く離れていてもつながることができるのだと思います。当日はフリージャーナリストとしての玉本英子さんの想いも聞かせていただけると思います。
 また、お話の後でパレスチナ連帯運動の「オリーブの会」のご協力でアラブ料理を囲んだ交流会も設けています。
 お近くの方でお時間がございましたら、この催しにご参加いただきますよう、お願いします。

日時 2018年12月15日(土)
場所 能勢町淨るりシアター
13:30~15:30 玉本英子さんのお話と質疑応答 小ホール
     運営協力費800円(学生・障がい者は半額 介助者無料)
15:40~18:40 アラブ料理を囲んで交流会   
            調理室 運営協力費500円
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2018.12.04 Tue 辺野古に土砂を投入することは戦後曲がりなりにも信じてきた民主主義を捨ててしまうこと

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【報ステ】辺野古移設 土砂の積み込み作業開始(18/12/03)

 安倍政権は12月14日に辺野古に土砂投入に踏み切るそうです。
 辺野古基地建設の是非を問う県知事選挙で玉城デニー氏が過去最高の得票数で当選し、沖縄の人々がさまざまな逡巡の中で基地建設NOを意思表明したにもかかわらず、「沖縄県民の心に寄り添う」と言った安倍首相と政権は、年内に何が何でも辺野古建設へと強引に突き進んでいます。「心に寄り添う」というのは、安倍首相の心に県民を従わせるということなのでしょう。
 新聞報道によると、防衛省の調査で辺野古基地完成には13年、費用も計画の2400億円の10倍になると言います。普天間基地の危険性を早急に取り除くことが目的というのならば、普天間基地の撤退にむけてアメリカと交渉すべきだと思います。
わたしはアメリカの望むまま大量の武器を購入することには反対ですが、百歩譲ってトランプ氏にそのことを感謝されるならば、それをカードに沖縄の人びとの民意を受けて普天間基地の撤退と辺野古基地建設中止を要求するのが民主主義国家のせめてものまっとうな外交ではないでしょうか。
 辺野古に土砂を投入することは、沖縄の人びとの心を踏みにじるだけではなく、わたしたちの戦後日本社会が曲がりなりにも信じてきた民主主義を捨ててしまうことなのだと思います。
 沖縄の人びとにいつも突き付けられるのは、「どんな意思表明をしても、国は無視するだけで、沖縄には民主主義が通用しない。それならば国の言う通りにすればお金もくれる」というパワーハラスメントでは片づけられない脅迫で、それはそのまま日本に住むわたしたちに「民主主義を捨ててお上の言うとおりしなさい」という、安倍政権をささえ、明治政府の復権をたくらむ超保守主義者たちの陰謀なのだと思います。
 その強大な力に抗う手立てがあるのかと絶望的にもなりますが、現地でたたかう人たちとその背後にわたしたちもふくめて国内外に点在する何億何十億の人びとともに、決してあきらめずささやかな希望を育て、小さな声を積み重ねていくことしかないのでしょう。
 そして、辺野古基地が完成するとされる13年後に、現政権とそれをささえるひとたちがどんな国家をつくろうとしていたのかを厳しく検証することになるでしょう。

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